【巨人】カミネロ、9回炎上で逆転サヨナラ負け 今季初のセーブ失敗

スポーツ報知
9回1死二、三塁、平沢にサヨナラ右前適時打を打たれ肩を落とし引き揚げるカミネロ(左は坂本勇、カメラ・中島 傑)

◆日本生命セ・パ交流戦 ロッテ2x―1巨人(17日・ZOZOマリン)

 巨人がロッテにサヨナラ負けし、セ・パ交流戦を8勝10敗で終えた。1点リードの9回、守護神カミネロが安打、四球、バント安打で無死満塁のピンチを招き、投ゴロで追いつかれ、平沢に右前打を浴びた。5回に吉川尚のスクイズで奪った1点も、6回途中無失点だった内海の勝ち星も、チームの交流戦勝率5割もフイに。チームはリーグ5位に転落した。リーグ戦は22日(対ヤクルト・東京D)に再開する。

 頼みの綱がぷつりと切れた。ロッテファンの大歓声の中、カミネロは汗を拭いながらベンチへ歩を進めた。9回、同点とされてなお1死二、三塁。平沢の打球が一、二塁間を破った。痛恨の逆転サヨナラ負け。由伸監督は「そういう(抑えの)役割でやってもらっている選手。あの場面でいくのは当然」と悔しさをにじませた。

 クローザーの乱調で全てが暗転した。1点リードの9回、先頭・角中に中前安打。バントの構えの清田にストライクが入らず、歩かせた。鈴木のバントは内野安打で無死満塁。代打・三木の投ゴロが高く弾んで同点。この不運で、悲劇の“輪郭”はハッキリとした。今季初のセーブ失敗となったカミネロは「やるべき投球ができなかった。負けることはどんな投手でもあり得ると考えてやっていかないといけない」。一度の失敗で信頼や役割が変わることはないため、引きずらないことが重要と強調した。

 必死に勝利への道筋をたどった。酒居を打ちあぐね、0―0で迎えた5回1死から亀井、長野の長短打で二、三塁。続く吉川尚の2ボール1ストライクからの4球目、指揮官が仕掛けた。吉川尚はバットを水平に構え、外に沈むフォークに体ごと投げ出して転がした。チーム今季初のスクイズ成功。尚輝も「サイン通り食らいつけていけてよかった。でも負けては意味が…」と悔しさを吐露したが、ベンチと選手が一体となって試合を動かした。

 守りも積極的な継投に出た。6回2死二塁で、無失点だった先発・内海を86球で下げ、沢村にスイッチ。背番号15はその危機を断ち、7回もピシャリ。8回はマシソンがしのいで、さあ、後は守護神頼むぞ…とここまではストーリー通りに進んでいただけに悔いは残る。

 交流戦は8勝10敗で終えた。「良くはないね。けど、終わったことは変わるわけではない」と現実を受け止めた指揮官だが、差し込んだ確かな光もある。2日のオリックス戦(京セラD)から岡本を4番に据え、打線の軸が完成。投げては今村、鍬原の若き力や、田口の復調気配と強打ぞろいのパ相手に、交流戦中のチーム防御率は現状12球団2位の3・13。先発陣の再整備が進んだのは大きい。

 これで1点差試合は12球団最多13敗目。先発陣が好調な今、増える僅差の展開をいかにモノにするかが、リーグ戦再開後の鍵になる。「そういうのを取っていかないとなかなか勝率は上がっていかない」と由伸監督は次への課題をしっかりと見据えた。(西村 茂展)

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