【巨人】鍬原、満塁被弾…プロ最短2回0/3で7失点KO「チームに申し訳ないです」

スポーツ報知
1回1死、松山〈44〉に同点満塁本塁打を打たれた鍬原(カメラ・池内 雅彦)

◆広島14―5巨人(26日・マツダスタジアム)

 巨人はドラフト1位ルーキーの鍬原がカード初戦を託されながら、広島打線の餌食となり、プロ最短の2回0/3を7失点でKOされた。初回、亀井と長野の連続適時打などで4点の援護を得たが、その裏3四死球で1死満塁のピンチを招くと、松山に同点満塁弾を被弾。3回には岡本が14号ソロで一時は勝ち越したが、直後に丸に同点ソロを浴びた。さらには2暴投も絡んで勝ち越された。その後リリーフ陣も打ち込まれ、計5被弾14失点で完敗。首位・広島とのゲーム差は6・5に広がった。

 真っ赤な渦が鍬原をのみこんだ。同点とされた3回、なおも無死三塁。松山に低めの直球をとらえられた。打球は左中間を抜け、勝ち越し打を許した。ここで降板が告げられた。「実力不足だと感じましたし、チームに申し訳ないです」。2回0/3を2本塁打含む4安打4四死球で7失点。汗をぬぐい、ベンチへと姿を消した。

 打線が初回に4点を先取。苦手なジョンソンへの先制パンチで流れはでき上がった。が、ルーキーが課題とする“独り相撲”で広島打戦の目を覚ましてしまった。先頭の田中に四球、1死から四球、死球で満塁。松山にはスライダーを右翼スタンドに放り込まれた。「四球を出して打たれるというのは全然進歩できていないと思います。シンカーの状態は良くなかったですが、他のボールでもカウントを整えられなかったので」。3回に逆転を食らうまでに74球も費やした。球威や変化球の精度にも定評のある右腕だが、制球という欠点が修正できず、苦しさを露呈した。

 由伸監督は「取られ方が投げた4回とも同じような形が多い。今後一番の課題になってくる」と指摘。首位・広島とのカード頭に指名するなど期待値は高い。首脳陣と話した上で今後の起用法などが決まるが、村田ヘッドは「(点の取られ方が)悪すぎるよ。1年目とは言え、使った俺らが悪い。4点取った後に四球、四球、死球でドンでは野球にならない。野手のテンションも下がるよな」とおかんむりだった。

 流れは、その序盤で失った。先発のジョンソン撃ちには成功したが、4回からのフランスアに5イニングで1安打に封じられた。こちらは2番手の森福が勢いを止められず、中継ぎ投手の差も如実に表れた。終わってみれば、13安打14失点の大敗。敗因を挙げれば切りはないが、やはり、先発投手が試合を作れなければ結果は必然と見えて来る。

 2連敗となり、借金は3。首位・広島との差は6・5ゲーム差に広がった。鍬原には辛い登板となったが、チームが優勝するには欠かせない逸材でもある。指揮官は「まだまだ始まったばかり。試合をすれば、いいところも出ればミスをすることもある。これからどういうふうに変えていくか」と、自分で壁を乗り越えていくことに期待した。(水井 基博)

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