【巨人】内海、復活の裏に「左の外チェンジ」新発想きっかけはオリ・吉田正

スポーツ報知
先発し6回を2安打2失点に抑え2勝目を挙げた内海(カメラ・矢口 亨)

◆中日2―5巨人(30日・ナゴヤドーム)

 幻惑した。内海が進化した投球術を見せた。6回無死。左打席の大島は“新球”をはじめ、さまざまな球種をマークしていたに違いない。最後は外角スライダーにバットが動かず、見逃し三振。この回を3人で抑えて救援陣に後を託し、チームの連敗を5で止めた。

 「ストライク先行でいけた。(連敗を)考えすぎると硬くなってしまう。考えすぎず、投げられることに幸せを感じて投げました」

 ゆったりしたフォームで腕を振り、4回まで打者12人をパーフェクト。6回78球2安打2失点と力投した。

 今季は開幕2軍も、5月中旬の昇格後、5登板で2勝0敗、防御率2・15。復活の裏には、セオリーとは真逆の新発想があった。

 「(6月3日の)オリックス戦から左の外角にチェンジアップを投げ始めた。きっかけは吉田対策。映像を見て、内角では抑えられんなと思って誠司(捕手の小林)と話をして決めた。今まであのコースに投げたことはなかったけど(空振りを取るなど)うまくいって。これは使えるなと」

 内海のシュート気味に沈むチェンジアップは、真ん中から右打者の外角が基本だった。左投手が左打者の外角(右打者の内角)にこの球種を投げる場合、制球ミスして真ん中に入れば失投になるリスクがあり、操るのが難しい。それを、敦賀気比の後輩で左の強打者・吉田正尚を抑える秘策にプロ15年目で初解禁。投球の幅が広がった。中日にもデータとして入っていただろう。豊富な球種を交ぜて的を絞らせなかった。

 今、内海は「危機感しかない」という。「1回失敗したら後がない。だから1日も無駄にできない。今の自分を受け入れて、一戦必勝です」。余計なプライドなんてない。だから「左の外チェンジ」という、新発見も生まれるのだろう。

田島から今季初安打 バットでは6回、田島から今季初安打となる中前安打を放ち、貴重な追加点につながった。36歳が投打で輝いた。(片岡 優帆)

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