【巨人】ヤングマン、交際11年妻の前で1勝!夫婦で親日家、日本野球に順応

スポーツ報知
来日初勝利を挙げて、ウイニングボールを手にブリタニー夫人と笑顔を見せるヤングマン(カメラ・矢口 亨)

◆中日0―3巨人(1日・ナゴヤドーム)

 巨人のヤングマンが来日初登板初先発で勝利を挙げた。8回を3安打無失点、三塁を踏ませない快投だった。長野が2回に先制5号、1点差の7回には貴重な追加点となるタイムリーで援護した。9回は前日に続きマシソンがマウンドに上がり、2試合連続の3者凡退で2セーブ目。投打がかみ合って7月は白星スタートを切り、4位に浮上した。今後に大きな期待を抱かせる先発右腕の誕生に加え、守護神も安定。巨人の反撃態勢が整った。

 誰よりも喜びを共有したい人がいた。ヤングマンは試合後の取材を終えると、観戦に訪れたブリタニー夫人(26)のもとへ急いだ。ナゴヤD正面で合流して初勝利のウィニングボールを披露。愛妻に祝福され、この日一番の笑顔を見せた。

 「初登板の日をとても楽しみにしていました。チームの勝利に貢献できたことが本当にうれしいです」

 独特のクロスステップ投法で8回105球3安打。三塁を踏ませない圧巻の投球だった。110キロ台の大きなカーブ、130キロ台のスライダー、140キロ台後半の動く速球を巧みに投げ分け、全24アウト中13個が内野ゴロ。「ゴロを打たせることが自分のスタイル。味方の守備にも助けられました」。ビシエドを3打席連続空振り三振など、8奪三振と力強さも光った。

 屈辱を糧にした。3月13日のオープン戦・ソフトバンク戦(大分)。5回10安打5失点で、2軍に降格した。「日本の打者は当てるのがうまい。低めに投げないと抑えられない」と胸に刻んだ。それ以来、中6日の登板間に2度のブルペン入りを習慣とし、日本野球に順応するため、徹底的に低めへの制球を磨いた。

 1軍の4つの外国人枠が埋まっていた事情もあり、開幕から2軍暮らし。支えてくれたのはブリタニー夫人だ。同じ高校の後輩で、高校時代から交際。11年の純愛を貫き昨年11月に結婚した。愛妻は3月に来日。その際、ヤングマンは「宝物です」という自身が初めて日本で1面を飾った1月31日付のスポーツ報知を妻に見せ、活躍を誓った。

 休日に夫婦で訪れたディズニーランドでは、スプラッシュマウンテンにはまった。「従業員がとても親切で明るくて、日本人は素晴らしいなと思ったんだ」。夫婦で親日家。日本語の勉強にも積極的で、あいさつ以外に「ガマン(我慢)」という言葉も覚えた。G球場には毎日、京王線で電車通勤して2軍で7勝、防御率1・43はともにリーグトップ。都内の自宅で手料理と温かい言葉で励ましてくれた、妻のおかげだった。

 「自分は食に結構うるさくて。チーズとマヨネーズと生ものが苦手で。好きなのはチキン、果物、野菜。妻には感謝しかない」

 マイコラスの背番号「39」を受け継ぐ助っ人の快投。救世主誕生に、由伸監督も「素晴らしい投球だった」と賛辞を贈った。

 「2軍で過ごした時間は非常に役立った。コーチの指導を受け、日本の野球を学ぶことができた」とヤングマン。ブリタニー夫人と新幹線で仲良く帰京した。(片岡 優帆)

 ◆テイラー・ヤングマン(Taylor Jungmann)

 ◆生まれとサイズ 1989年12月18日、米国出身。28歳。198センチ、95キロ。

 ◆球歴 高校2年まではバスケットボールと野球をプレーし、テキサス大オースティン校から2011年ドラフト1巡目(全体12位)でブルワーズ入り。15年にメジャーで9勝をマーク。

 ◆打撃好き 15年にメジャーで37打数10安打、打率2割7分。二塁打も2本。

 ◆足のサイズ 34センチ。大きすぎて日本の店頭ではなかなか靴のサイズがない。

 ◆純愛 交際11年のブリタニー夫人と昨年11月に結婚。テキサス州の観光名所・ペニーバッカー橋の近くでサプライズプロポーズ。片膝をついて指輪を渡す。

 ◆親日家 日本文化に関心があり神社巡り、寺院巡りが好き。「先輩、後輩という習慣も日本独特だね」

 ◆頭脳派 大学でスポーツマネジメント専攻。不動産関係の本に興味。

 ◆記念品 メジャー初勝利の記念球は透明な箱に入れて保管。「日本初勝利の球も同じように飾りたい」

 ◆登場曲 自身の登録名に縁を感じ、西城秀樹さんの「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」

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