【巨人】長野、1か月ぶり5号がやっとV弾

◆中日0―3巨人(1日・ナゴヤドーム)
長い滞空時間を経て、長野の打球はバックスクリーン右へ飛び込んだ。0―0の2回2死。山井の外角直球を捉え、均衡を破った。5月26日の阪神戦(甲子園)以来、およそ1か月ぶりとなる5号ソロは、そのまま先制V弾となった。「僕が打ったことよりも、テイラー(ヤングマン)が1つ勝ったことのほうが大きい。よかったです」。一発の余韻に浸ることもなく、デビュー戦で初勝利を飾った新助っ人を祝福した。
由伸監督が「本塁打自体、久しぶりかなというね。この広い球場(ナゴヤD)であそこに打てるんだから、まだまだ打ってほしいなと思う」とうなったように、まだ5発ということが不思議なほど、豪快な一撃だった。さらに1点リードの7回1死二塁では、内角140キロを引っ張って左前適時打。息詰まる投手戦が繰り広げられる中、貴重な追加点をもたらした。守備でも初回1死、亀沢が放った飛球に猛ダッシュ。ほぼ二飛という打球をグラブに収めるなど、攻守で躍動した。
この日のテレビ中継の解説は、元中日監督の落合博満氏が務めていた。巨人の先輩であり、長野が入団したての頃には中日黄金期を築いていた名将でもある。過去に球宴に出場した際、全セを率いていた落合氏に助言を求めると、「走り方があまりよくないな」とだけアドバイスされた。シーズンに戻れば敵同士という関係。真意も定かではないらしいが、キャリアが浅く手探りだった当時の長野にとって、“助言ゼロ”は大きな自信になったという。
長野が本塁打を放った試合は今季4戦全敗だったが、5本目でようやく勝利に結びついた。ただ、この日の一発は、落合氏の解説によれば「(投手の)攻め間違い」らしい。まだまだ、状態は上がっていくはずだ。(尾形 圭亮)
◆長野の今季本塁打
▽1号 4月10日のDeNA戦(東京D)、1点を追う7回1死一塁で代打で登場。エスコバーから一時逆転となる右越え2ランを放った。チームは3―4で逆転負けした。
▽2号 5月20日のDeNA戦(東京D)、5点を追う5回1死でウィーランドから左越えソロ。チームは投手陣が打ち込まれ、2―10で大敗した。
▽3号 同23日の広島戦(ひたちなか)、7点を追う6回2死で岡田から左越えソロ。チームは3―9で大敗した。
▽4号 同26日の阪神戦(甲子園)、2点を追う8回2死一塁で桑原から左越え2ラン。同点としたが、チームは4―5で9回サヨナラ負けした。