【巨人】岡本、31打席無安打 由伸監督「ひと皮むけるためにも乗り越えろ」

スポーツ報知
9回、ベンチ内でバットを握り、高橋監督(右から2人目)の前で次の打席を待つ岡本(カメラ・池内 雅彦)

◆巨人4―8DeNA(4日・東京ドーム)

 巨人が終盤の逆転機を逃し、連勝は3でストップ。4位に後退した。4番の岡本が、1点差に迫った7回2死二、三塁で二ゴロ。これで31打席ノーヒットとなり、打率も3割を切る不振に陥っている。先発した田口も背信投球。2回、DeNA先発のウィーランドに先制につながる二塁打を許すと、3回には4安打を浴びて4失点。5回途中8安打5失点で、自身5連敗となる6敗目を喫した。

 気持ちはすごく伝わってきた。岡本は外角の球に、必死に食らいついた。7回。2点を返して1点差とし、なお2死二、三塁。だが、一打逆転の場面で、4番のバットから快音は響かなかった。二遊間のゴロに、一塁へ全力で駆け込んだが、及ばず。由伸監督は「阿部で流れを変えたいところでいい一本を打ってくれて、そこで何とか追いつくところまでは行きたかったですけどね」と一気にひっくり返せなかったことを悔やんだ。

 巨人軍89代4番打者に、試練の時が訪れている。この日も第1打席に鋭いライナーをウィーランドに好捕されて投直に終わるなど不運もあったが、結果は4の0。6月26日の広島戦(マツダ)の第2打席で左越えソロを放って以来、31打席連続無安打(3四球を含む)とトンネルに入り込んでいる。打率も4月22日以来、73日ぶりに3割を切った。

 「こういうことはいつか来ると思っていた」。試合後、岡本は言った。不思議と勝負を分ける場面で打席が回り、打てなければ責任を負うのが4番の宿命。岡本自身も以前に「得点圏で打てないと、プレッシャーが…。でも、しっかり(走者を)かえせるように頑張ります」と話したように相手投手だけでなく、見えぬ重圧とも戦う日々だろうが、不振から目を背けない姿は、頼もしくすら思える。

 由伸監督は無安打が続く間も決して、岡本を責めることはない。“親心”と言えばいいのか、この苦境で何を見せてくれるかと期待しているように映る。「一本安打が出ればまた変わると思うし、アウトの中にもいい打球はある。本人がひと皮むけるためにもここを乗り越えなくちゃいけない」。スランプは誰にも訪れる当然の事象。だから動じず、信頼も揺るがず。第66代4番を務めた指揮官は言う。「プロ野球、そんなに甘くないよ」と。

 だから岡本には「頑張れ!」とは言わない。いや、言えない。誰に言われるまでもなく、この苦境を自らの力で乗り越えようともがいているからだ。この日の試合前打撃練習では、他の選手の倍の時間を打ち込んだ。前日3日にはブルペンで打ち込んでから練習に臨んだ。また1段階レベルアップした「4番・岡本」が、倍返し以上の歓喜をもたらしてくれる。(巨人担当サブキャップ・西村 茂展)

巨人

×