【巨人】坂本、V2ラン!「同じプロとして」コイに一発やり返した

スポーツ報知
6回無死一塁、バックスクリーンへ飛び込む2ランを放つ坂本勇(カメラ・清水 武)

◆巨人4―0広島(6日・東京ドーム)

 豪快なフルスイングから放たれた打球は、バックスクリーンで弾んだ。ゆっくりダイヤモンドを一周した坂本勇はホームで待つ菅野の姿を見つけると笑顔になった。0―0の6回無死一塁。2安打無得点に封じられた大瀬良の高め直球を仕留め先制12号2ラン。「(菅野)智之がいいテンポでいい投球をしていたので何とか打ちたいと思って打席に入った。キャプテンとして応えたい気持ちだった」。意地の一発だった。

 守備でもみせた。7回2死三塁。代打・新井が放った打球はワンバウンドして高く弾んだが、猛チャージし捕球。すぐさま一塁へ送球し間一髪でアウトにしてみせた。「すごく気持ちが入っているのは分かった。さすがエースという投球」。好投を続けたエースを攻守でアシストした。

 雪辱の思いもぶつけた。6月26~28日の広島戦では敵地で3連敗を喫し、2連覇中の王者とは2勝8敗と差をつけられた。その戦いを「チームとして、同じプロとして悔しい思いをした」と振り返った。さらにこの3連戦で3連敗すれば自力優勝の可能性が消滅していただけに「絶対にやり返さないといけない」と決意。その気持ちをぶつけるかのように試合前のフリー打撃ではサク越えを連発し、最後は左翼上段の看板にぶち当て予行演習は完了。しびれる場面での一発につなげた。

 チームの苦境を打破するのは、主将の役割と自らに言い聞かせてきた。今季はスタメンに岡本、吉川尚、新人の田中俊、大城ら若手が名を連ねる試合が増えた。自身が高卒2年目でレギュラーに定着した頃をふと思い返すと、試合でミスをしていても、主力の活躍に助けられていた。だからこそ「若い選手はいろいろと戦っていく中で、壁にぶつかる時が来ると思う。そうした時に、僕たち中心(選手)が結果を出し続けていくことで楽にプレーさせてあげたい」。覚悟を決めて臨むシーズン。その言葉通り、ここまでチームトップの打率3割2分8厘、53打点、同2位の12本塁打。若手がプレーしやすい環境を作り出すために、しっかりと結果を残している。

 これで広島戦の連敗は4でストップ。「広島にはこんなに負けているので意識しながらやるしかない。明日も勝てるように」。主将とエースが生み出した1勝は、チームに勢いをもたらすはずだ。(後藤 亮太)

巨人

×