【巨人】亀井、2発を含む4安打3打点 猛打に込めた岡本への思い

スポーツ報知
7回1死、亀井が右中間に8号ソロを放つ(カメラ・矢口 亨)

◆ヤクルト3―7巨人(11日・神宮)

 由伸巨人が今季2度目の4連勝で借金を1まで減らし、2位で前半戦を終えた。ヒーローは亀井だ。1点リードの3回には7号2ラン、7回には8号ソロと、2発を含む4安打3打点と暴れまくった。絶好調のマギーも初回に3戦連発となる10号先制2ラン、3回には決勝の二塁打と活躍した。打線は2夜連続で3本塁打、2ケタ安打も2試合連続と上り調子。12日のフレッシュオールスター、13、14日の「マイナビオールスターゲーム2018」を挟み、後半戦は16日から再開する。

 球に逆らわず、シャープに。そんな意識でも亀井の描いた放物線は力強く右中間席中段へと伸びた。3回。1点を勝ち越し、なお1死二塁。2ボールからの3球目、真ん中へ入ってきたフォークを捉えた。歩いて打席を踏み出し、打球の行方を見つめた。「コンパクトなスイングで球を捉えることができました。手応えは良かったです」。プロ初先発のヤクルト・大下をKOする7号2ランで、試合の流れを大きくたぐり寄せた。

 衝撃はまだ終わらない。3点差に詰め寄られて迎えた7回1死。近藤の低め144キロ直球に手を伸ばし、最後は右手一本になりながらバットに乗せ、右中間席まで運んで見せた。「ずっと真っすぐを捉えきれてなかった。久々の感触ではありました」。ヤクルトの追い上げムードを鎮火させる、とどめの一発となった。

 1試合2発。第1打席の中前安打、第3打席の右前安打を含めて4安打。いずれも昨年8月1日のヤクルト戦(静岡)で、2発5安打をマークして以来の固め打ちだ。9日の試合で、そのゲンのいい球場を訪れた際には「覚えてます。ここからまた調子を上げていければいい」。沢村栄治の伝説を生んだ“草薙の空気”が、亀井に活力を与えた。

 ゲレーロがコンディション不良で6月15日に登録抹消となったこともあり、交流戦後は「5番・左翼」が定位置。プロでのキャリアにおいてクリーンアップを打つことは珍しくもない百戦錬磨の35歳でも、特別な思いで試合に臨む。

 「やっぱり和真の後っていうのは、プレッシャーありますよ」。若くして4番を務める主砲であり、亀井にとっては同じ奈良県出身のかわいい後輩。少しでも支えてやりたいという思いは強い。「よく打つし、(打てなかったら)カバーもしないといけないし。大事なポジションだと思っています」と新鮮な気持ちでシーズンを送る。

 由伸監督も、勝負強さではチーム屈指の亀井だからこそ、5番を託す。「2本とも完璧なホームランだった。ケーシーも(調子が)上がってきたし、和真も戻っているので、後ろに1人いると心強い」と最敬礼だ。

 チームは4連勝で、今季40勝。借金1の2位で前半戦を終えた。昨季の同時期、首位・広島とは14・5ゲームと大差をつけられたが、今季は6ゲーム差でのターンとなった。「みんな勝ちたい一心でやっているし、ファンの期待にも応えたい。とにかく首位の広島を追いかけて、一戦一戦頑張っていきます」。神宮の杜(もり)の夜空に、“亀様”の凱歌(がいか)がこだました。(西村 茂展)

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