殿堂入り原辰徳さんは「ファンのため」記者にも全力…元番記者の目

2018年7月14日7時0分  スポーツ報知
  • 花束を受け取った原辰徳氏は、菅野(右)に話しかける(カメラ・保井 秀則)

 3年務めた巨人担当キャップ時代、チームを指揮する原さんに密着した。いつも周りは笑顔だった。偉ぶることなく、報道陣にも気さくに声をかける。野球の話だけでなく、政治、国際情勢、芸能と話し始めると、さまざまな分野にわたって会話が繰り広げられる。

 話の端々に、野球だけでなく、人としてどうすれば成長できるかのヒントが隠されているし、多くのことを学んだ。2011年の巨人キャップ1年目には、調子の上がらないとある選手を、良くも悪くもない視点で原稿にしたときがあった。すると監督室に呼ばれた。

 「この記事を読んで、読者はどんな気持ちになる。今後に期待が持てるのか、それとも、こういう選手を獲った球団が悪いのか、使った俺が悪いのかが全く分からない。君たちの後ろには多くの巨人ファンがいる。誰のために記事を書いているのかを考えなくちゃいけない。私だって報知新聞を楽しみにしている読者がいるからこそ、いろいろな発言をさせてもらっている」

 どう報道すべきか、ふらふらした自分の気持ちを奮い立たせてくれた。相手が記者であろうが、選手であろうが、接する熱量は変わらないんだ、と気づいた。原さんのど真ん中にあるのは「ファンのため」なのだ。

 監督を務めた12シーズンで、試合後の取材を断ったことがない。ただ、勝てばいいんじゃない。巨人の一員としてどう振る舞うべきか―。ファンが喜ぶ行動を、そして発言をしているか。その選手の一瞬の変化を記者として感じ取れるか。プロとはどうあるべきかを、その背中から感じ取った。(高田健介=11~13年巨人担当キャップ)

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