【巨人】菅野が球宴で“魔球”披露…山川へ山なり超スローボール

スポーツ報知
1回2死一塁、打者・山川(手前)の初球にスローボールを投じる菅野

◆マイナビオールスターゲーム2018第2戦 全セ1―5全パ(14日・熊本)

 対戦を楽しむかのように、マウンド上の菅野は笑みを浮かべていた。初回先頭。柳田への初球の147キロ直球はファウルとされたが、2球目の146キロ高め直球で二ゴロに抑えると、頬を緩めた。「三振かホームランの勝負をしたかった。独特の雰囲気でいい勝負が出来た。空振りを取りたかったけど、お客さんが沸いてくれたので楽しんでもらえたかな」と振り返った。

 対戦を待ちわびていた相手が、リーグで打率3割4分7厘、20本塁打、58打点の日本球界を代表するスラッガーだった。試合前には「柳田さんには全球真っすぐで勝負」と話していたが、有言実行の投球で封じた。

 球宴ならではの“魔球”も披露した。初回2死一塁。23本塁打でパ・リーグ本塁打王の山川への初球に、計測不能の山なりの超スローボールを投げ込んだ。「何か見ていて、普段見られない勝負を見たいと思っていた。そういう盛り上がる場面を作れればと思って考えました」。2回2死では源田への初球に走者がいない場面でクイックで投球するなど、球宴5度目の先発は2回無安打無失点2K。2四球を与えたが、全33球中30球が直球だった。

 再び、熊本のファンに好投を届けた。17年4月18日のヤクルト戦では初めて藤崎台球場で登板し、3安打完封勝利。16年4月に同地で開催予定だった中日戦は熊本地震で中止になっていたが、1年後の登板で圧巻の投球を披露していた。

 そして、復興からの歩みを進める熊本で初めて開催された球宴で再び先発のマウンドへ。特別な一戦には、少年少女たちが外野席に招待され、青のTシャツを着用して、試合を観戦。「試合前から『菅野頑張れ』とたくさん声援を送ってくれていい雰囲気の中で投げることが出来た」と感謝した。

 さらに試合前には地元の野球少年の「全国の皆さん、熊本は元気です」というスピーチを耳にし、「言葉の力強さを感じましたし、本来は僕たちが元気、勇気を届けないといけないけど、また頑張ろうと思った選手はたくさんいる」と話した。

 この日はチームメートの小林とコンビを組み、後半戦にもつながる投球となった。「オールスター独特の雰囲気を楽しむことが出来た。後半戦に弾みがつくような投球ができた」。平成最後の球宴。巨人の、そして球界を代表するエースが熊本で力を示した。(後藤 亮太)

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