【巨人】坂本、逆転Vへ広島との6差「諦める差じゃない」

スポーツ報知
球宴から一夜明け、熊本から新神戸に移動する坂本勇(カメラ・矢口 亨)

 巨人の坂本勇人内野手(29)が15日、16日の阪神戦(甲子園)からスタートする後半戦を前に現在の胸中を激白した。首位・広島に6ゲーム差の2位につける今のチームについて「もっと、もっと強くなる」と強調。その上で「(優勝を)全然あきらめるようなゲーム差ではない」と、4年ぶりの、そして主将に就任してから初のリーグVに向けてチームを引っ張る覚悟を示した。(取材・構成=後藤亮太)

 決意に満ちた表情で、坂本勇は勝負の後半戦に向けての思いを打ち明けた。現在チームは2連覇中の王者・広島と6ゲーム差の2位につける。

 「前半戦の最後は(4連勝と)いい形で終わることができた。広島はなかなか大崩れしないチームだし、戦っていて強いなと思うけど、全然あきらめるようなゲーム差ではない」

 今季、野手では吉川尚、岡本、ルーキーの大城、田中俊ら多くの若手が台頭。昨年までとは違うシーズンを送る中で、確信していることもある。

 「(チームとして)今がマックスの状態だとは思わないし、もっと、もっと強くなるチームだな、というのは戦っていく中でずっと思っています」

 だからこそ、まだまだチームとして課題があることも認める。チームは前半戦1点差試合で6勝15敗だった。

 「野手も投手も若い選手が多いので、『ここで1点取られたらダメ』という時に取られたり、『ここで1点取りたい』という時に取れなかったりする」

 しかし、そうした部分を補うのが、自身やベテランの役割と認識している。

 「そこは僕たち中堅、ベテランの人たちがカバーしていかないといけない。そういうプレーを続けて、若い選手が一緒に戦っていく中で、成長してくれたら」

 言葉通り、打率はリーグ1位の3割3分2厘2毛、打点は同2位の56をマークしている。ただ、同時に試合に出場している若手のさらなる成長も期待する。

 「もちろん、僕らが結果を残して、若い選手が何とか楽にプレーできるようにという思いはある。けれど、試合に出ている以上は若いとかは関係ない。ちゃんと勉強しながらやらないといけない」

 その中で、今季は高卒4年目の岡本が交流戦期間中から第89代4番に座り、どっしりと打線の軸として役割を果たしている。

 「僕が(レギュラーとして)試合に出始めてから、若い選手がレギュラーで出続けているというのは初めてだし、ましてや巨人の4番を打っている。人には言わない精神的にしんどい部分もあると思うけど、堂々とやっているし、これから、もっと、もっとすごい打者になるんだろうなと思って見ています」

 ―自身が主将に就任した15年からチームは3年連続で優勝を逃している。4年ぶりの頂点に立つことは、同時に優勝の味を知らない若手にとっても貴重な財産となる。

 「もちろん、優勝していたチームで出ていたとなれば自信にもなるだろうし、もっと、もっと頑張ろうと思える。優勝への思いが今年はより強いというより、早くしたいですね」

 坂本勇は10度目の出場となった球宴を終え、この日熊本から新神戸へと移動。16日の阪神戦に出場すると、通算1500試合出場を達成する。

 「出場を続けられているのは、支えてくれる人たちのおかげ。感謝しないといけないです」

 広島との12試合の直接対決を含め、シーズンは残り61試合だ。

 「まだまだどうなるか全然分からない。一戦一戦を大事にしながら、最後まで戦っていきたい」

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