【巨人】亀井、スーパーキャッチ!逆転サヨナラ負けの危機救った!「ギリギリので勝った感じ」

スポーツ報知
9回2死満塁、梅野の大飛球をジャンプして好捕した亀井(カメラ・矢口 亨)

◆阪神2―4巨人(17日・甲子園)

 巨人が、坂本勇離脱の危機を乗り越え今季2度目の6連勝。貯金1とした。主将はこの日、左脇腹痛とみられるアクシデントで3年ぶりに出場選手登録を抹消。しかし、4回に亀井が2点二塁打で先制すると、先発したヤングマンも2点打で一挙4点。2点リードの9回には2死満塁のピンチを背負ったが、あわや逆転サヨナラ満塁アーチという大飛球を左翼の亀井がキャッチして逃げ切った。助っ人右腕は来日3戦3勝。チームも3カード連続の勝ち越しを決めた。

 ガッチリつかんで、離さなかった。最後は崩れるように倒れ込みながらも、亀井は誇らしげにグラブを突き上げた。「緊張して、全然跳べてなかったですけど…。ギリギリのところで勝ったという感じですね」。2点リードの9回守備。2死満塁から梅野が放った大飛球は左中間に飛んだ。抜ければ逆転サヨナラという局面、これをフェンス手前でスーパーキャッチして試合を締めた。

 バットでも甲子園を静まり返らせた。0―0の4回1死一、二塁。初球は岩田の外角スライダーに空振りしたが、やや甘く入ってきた2球目、同じスライダーを今度は鮮やかに打ち返した。2者が生還。「後輩たちが作ったチャンス。いい形でかえせてよかったです」。昨季は「代打のカメ様」とも呼ばれていたが、スタメンでも勝負強さは健在。得点圏打率4割3分3厘は12球団でトップだ。16日のダメ押し2ランに続き、2夜連続で輝きを放った。

 主将の坂本勇が、左脇腹を痛めて戦列を離れた。全体練習開始前に球場を後にした坂本勇は「大事な時期に申し訳ないです」と頭を下げた。チームの先頭に立ってバットで手本を示し、時には厳しい言葉も交えて若手の尻を叩く背番号6の姿を、亀井も近くで見てきた。「あいつの代わりはできないけれど、全員でカバーしていくしかない」。勝負の後半戦に入った直後に大黒柱を欠くという痛恨のアクシデントとなったが、ここで奮い立たないはずがなかった。

 ナインの思いも一緒だ。試合前のミーティングでは、由伸監督から指名を受けた岡本が、「さあ、いこう!」と元気よく声出し。いつも主将の勇人がやっている儀式だが、若き4番が代理して闘魂を注入した。背番号6に代わって1番に入り、2安打と気を吐いた長野も「勇人が一番悔しいと思う。戻って来る時に、いい位置で迎えられるようにしたい」と背筋を伸ばした。

 前半戦から6連勝とし、約2か月ぶりの貯金生活となった。キャプテン不在を乗り切っての大きな1勝。指揮官は「坂本の代わりはできないかもしれないけれど、みんなそれぞれが何とかカバーしていこうというところで、よく頑張ってくれた」とたたえつつ、「選手もある意味、出場するチャンスではあると思うので、出た選手は頑張ってほしいね」とハッパをかけた。試練ではあるが、逆境ではない。ナインがそれを証明してくれるだろう。(尾形 圭亮)

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