【巨人】メルセデス、支配下登録から2戦2勝 抜群の安定感で12回ゼロ封

スポーツ報知
セーブのマシソン(右)を笑顔で迎えるメルセデス

◆阪神3―5巨人(18日・甲子園)

 不安定さを一片も見せなかった。メルセデスは3回2死。連打を浴び一、二塁で福留を迎えた。「ゴロで打ち取ろうと」。高めのスライダーは自ら差し出したグラブに当たり、遊ゴロとなって3アウト。最大のピンチを乗り切った。

 持ち味を最大限に発揮した。「低めに投げるとゴロの確率が上がる。低めを意識した」。右打者の内角に食い込む直球とシュート気味の揺れるボールを駆使。走者を許しても打ち取り、スコアボードに0を並べた。支配下登録直後にプロ初先発した10日のヤクルト戦(神宮)で5回無失点。この日は7回108球、6安打1四球無失点で、連続無失点を12イニングまで伸ばし、2勝目を飾った。

 育成時代、英雄との出会いがあった。昨年4月、メジャー通算555本塁打を放ち、当時は独立リーグ、四国アイランドリーグplusの高知に所属していたマニー・ラミレスがジャイアンツ球場に練習に訪れた。

 思わぬ大物の登場にメルセデスは大喜び。クルーズ、育成・マルティネスと共に写真大会を敢行。「まさか日本で会うとはね。僕の国ではヒーロー。友達が大好きだからSNSで自慢するよ」。母国・ドミニカ共和国出身ということもあり、打撃練習をじっくり見た後、トークで大盛り上がり。最高の時間を過ごした。

 当時を振り返った左腕は「去年のことだから、話の内容はあんまり覚えてないんだよね。でも憧れには変わりない」と苦笑い。だが、レジェンドとの出会いは刺激になったはずだ。この日の打席では両打ちを披露。3打数無安打だったが、本業の投球でチームを救った。

 母国には親、3人の兄弟、妻子が活躍を楽しみにしている。「国を代表するという気持ちでプレーしています」と、常に誇りを持ってマウンドに立つ。メジャー級の活躍をしていなくても、チームにとっては欠かせない戦力の一人。「すごくハッピーです。次もチャンスをもらえるなら、最少失点で長いイニングを投げたい」。今後の快進撃にさらなる期待が高まるばかりだ。(玉寄 穂波)

巨人

×