【巨人】田中俊、兄・広輔の前で初打点…9試合ぶりスタメン起用に応えた

スポーツ報知
4回、菅野のスクイズで三塁から生還した田中俊は、ベンチ前でナインにハイタッチで迎えられる(カメラ・中島 傑)

◆広島7―5巨人(21日・マツダスタジアム)

 総立ちでガッツポーズするベンチとは対照的に、田中俊は控えめに笑みを浮かべた。「『最低でも犠牲フライ』『何とか1点』と思って打席に向かいました。ヒットでつなぐことができてよかったです」。2―2の同点に追いついた4回、なおも1死三塁。大瀬良の高め149キロを押し返すと、打球は詰まりながらも中前で弾んだ。一時勝ち越しのタイムリー。7日の広島戦(東京D)以来、9試合ぶりのスタメンで、きっちり起用に応えた。

 兄の広輔は王者・広島の不動のショートに君臨している。東海大相模高、東海大から社会人野球(俊太は日立製作所、広輔はJR東日本)を経てプロ入りと、ほぼ同じ道を歩んできた。俊太は、東海大4年時の15年ドラフトで指名漏れして気落ちしていたところ、兄から「会社のために全力でやることが、いつか結果になって自分に返ってくる」とエールをもらったという。16年の都市対抗ではチームを準優勝に導き、新人賞にあたる「若獅子賞」を受賞。プロの扉をこじ開け、兄と同じ舞台にたどり着いた。

 広輔は1打席目、2打席目と菅野から連続で安打。弟も、黙っているわけにはいかなかった。6月28日の広島戦(マツダ)では2打数2安打と気を吐いたが、広輔の前ではこれが初打点となった。入団時には「(兄は)ずっと背中を追いかけてきた存在。勝てるところは…(7センチ高い)身長くらいだと思います」と苦笑していたが、敵として同じグラウンドに立つ以上、超えなければならない。

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