【巨人】6―0から逆転負け…自力V消滅

スポーツ報知
7回1死一塁、丸(左)に勝ち越し左越え2ランを打たれ、膝に手をつく上原(カメラ・中島 傑)

◆広島8―6巨人(22日・マツダスタジアム)

 巨人は首位・広島に敵地で3連敗し、自力優勝の可能性が消滅した。マギーの3ランや吉川尚の2ランなどで4回までに6―0とリードしたが、その裏、先発の今村がバティスタにソロ。5回には田中と丸に2ランを浴びて降板。代わった野上も鈴木に同点ソロを浴びた。そして7回、上原が丸に2打席連発となる20号左越え2ランを許した。計5発を浴びての逆転負けで、マツダでは今季8戦全敗、昨季から球団ワーストを更新する12連敗。借金生活に逆戻りした。

 いったい、何点取ればセーフティーリードになるのか…。由伸監督は微動だにせず、ただぼう然と打球を追った。マウンド上の上原は両手を膝につき、下を向いた。4回まで最大6点のリードは5回に追いつかれ、この7回にトドメを刺された。圧倒的なチーム力に屈し、自力優勝の可能性まで消されてしまった。

 指揮官は、ひと呼吸置いてから会見場にやってきた。3試合で計20点も奪いながらも3連敗。いずれも逆転負けだ。「よく頑張って点は取れていると思う。ただ、だからいいってわけじゃない。こういう展開ならさらに点を取らないといけないし、投手陣も取られているのでもっと頑張らないといけない」と指摘した。

 初戦の山口俊から菅野、そして今村…。嫌な流れを断ちきれなかった。4回まで6点のリードをもらいながら、3被弾で5失点。バティスタのソロはボールが高く、田中と丸の2ランも完全なる失投だった。4回2死までは低めに球を集めての無安打投球は一転、別人のような制球難に変身した。驚くような球威がないだけに、制球を乱しては勝負にはならない。

 8日の同カードに先発してから中13日。打者一巡しか持たないようでは先発ローテでは回れない。指揮官も「週に1回なんだから5回でいいってわけにはいかない」とため息交じり。村田ヘッドは大城とのバッテリーに対し「大胆にいくとこと慎重にいくとこを考えてやらんと。俺の指導不足や。3日間ともバッテリーが悪い」と苦言を呈した。

 今季、マツダでの試合は8連敗。そのうち7戦が逆転負けだ。今カードもそうだが、丸や鈴木、松山といった主軸に度々打たれた。赤一色の球場中が大歓声に包まれ、周りを打つ若手も乗ってしまう。田中や菊池は当然だが、西川や野間、8番の会沢まで切れ目ない打線に変貌した。どんな劣勢でもあきらめる雰囲気がなく、チーム全体に自信が備わっている印象だ。まずは主軸を抑えなければ話にならないが、解決策が見つからないのが現状だろう。

 18日の阪神戦(甲子園)まで7連勝した勢いそのままに点は取っているが、逆転、逆転、また逆転の日々。由伸監督は「何かねえ、この3日間、結果的には同じような形になってしまった。そこは悔しい」と、戦えていそうで離されていく現実に、歯がゆさが募るばかりだった。

 8ゲーム差まで開いた。自力Vの可能性が消え、足元を見つめ直した指揮官は「首位のチームだし、そこに勝っていかないと縮まらないのは誰でも分かっていることだから」と言い聞かせた。残り試合はまだある。あきらめたら、そこで終わってしまう。(水井 基博)

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