【巨人】ミスミス5連敗…3位転落 村田ヘッド「守備もちゃんとしてほしい」

スポーツ報知
逆転負けで5連敗となり、ベンチで険しい表情を見せる岡本(中央=カメラ・石田 順平)

◆巨人5―6ヤクルト(25日・京セラドーム大阪)

 巨人の連敗が5に伸び、ヤクルトに抜かれて3位に後退した。2点リードの5回、先発のヤングマンが山田哲に左前適時打、バレンティンには超特大の左越え23号3ランを浴びるなどして逆転を許し、5回10安打5失点で来日初黒星を喫した。打線は長野が初回先頭打者アーチを放つなど猛打賞の活躍。2番の吉川尚も2本のタイムリーを放ったが、田中俊、岡本が守備でミスを犯して反撃ムードに水を差した。

 パンパンにふくらんだ関西G党の期待は、あえなくしぼんだ。1点を追う8回1死満塁から、三塁打が出ればサイクル安打という長野、2打席連続で適時打を放っていた吉川尚が打席に向かったが、ともに遊ゴロに倒れた。絶好機で1点も奪えずに試合は決した。だが、試合後の会見で由伸監督が敗因に挙げたのは、そこに至るまでに自らの首を絞めた余計な失点だった。

 「守備のミスからつながった2点というのがね、終わってみれば痛い。そういったところをもうちょっとチームとして修正していかなくちゃいけない」

 指揮官が苦虫をかみつぶした通り、与えなくてもいい2点が勝負を分けた。バレンティンに逆転3ランを浴びた後の5回無死一塁、川端のゴロを処理した田中俊が二塁へまさかの悪送球。併殺コースが一転、一、三塁となり西浦の左犠飛で1点を加えられた。さらには7回一死一、三塁でも、中村のセーフティースクイズを岡本が好ダッシュでさばいた…までは良かったが、握り損ねたまま投げてしまった本塁への送球は捕手・宇佐見の足元へとそれた(記録は犠打野選)。

 ミスで星を落とすのは当然痛いが、いずれも若手に生まれてしまっただけに次への糧にするしかない。現役時代は守備の名手でならした井端内野守備走塁コーチは「捕る前から投げることを考えているからだよ。(球を握り損ねた)和真も顔がホームに向いているから手元がおろそかになる。捕ってから投げるのは基本。要は反復練習がまだまだ足りないということ」と厳しく指摘した。村田ヘッド兼バッテリーコーチも「4番打者だからいいということはない。守備もちゃんとしてほしい」とバットで結果を残しているからこそ、岡本の守備向上を期待した。

 坂本勇が左脇腹の負傷で離脱中。大黒柱の不在を指揮官は「ある意味、出場するチャンスではある。出た選手は頑張ってほしい」と“奮輝”の材料に変えてハッパをかけたこともある。主将が戻ってきた時に、指揮官を悩ますくらいのレベルアップにつなげたい。

 7連勝の後の5連敗。借金は3となり、ヤクルトに交わされて3位に転落した。打線はこの日も5点を奪うなど迫力と粘りは失われていないだけに、無駄な失点さえ防げば、流れは変わる。(西村 茂展)

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