【巨人】7連勝後、6連敗…首位広島と10ゲーム差 逆転V遠のく

スポーツ報知
11回無死二塁、山田哲の勝ち越し適時打で本塁へ生還する二塁走者・青木を見つめる上原(後方、捕手・小林=カメラ・橋口 真)

◆巨人1―2ヤクルト=延長11回=(26日・京セラドーム大阪)

 巨人は逆転負けで7連勝のあと6連敗。首位・広島とはついに10ゲーム差まで広がった。9回、2番手のマシソンが雄平に同点打を浴び、延長11回、4番手の上原が山田哲に勝ち越し打を食らった。先発のメルセデスは自己最長となる8回を122球、3安打無失点の快投。チームの外国人投手最長となる、開幕から20イニング連続無失点と圧巻のマウンドを見せたが、3勝目を挙げることはできなかった。

 希望を乗せて高く舞い上がった打球はしかし、ほんのわずかの伸びを欠いた。11回1死一塁。陽が放った一撃は左翼フェンス間際で比屋根のグラブに収まった。ベンチでスタンドインを願った岡本も、突き上げていた両腕をそのまま降ろして頭を抱えた。試合後の会見で由伸監督は「なかなかそこ(2点目)が取れなかったんで、こういう展開になってしまった」と二の矢を放てなかったことを悔いた。

 とはいえ、リードしてクローザーにつないだ以上、守りきってもらいたかった。8回無失点の力投を見せたメルセデスの後を継ぎ、マシソンが9回のマウンドへ。だが、1死から山田哲に右前安打を許すと、二盗とバレンティンの遊ゴロで2死三塁。ここで雄平のドン詰まりの打球が中前にポトリと落ちた瞬間、メルセデスの3勝目は消え、試合は振り出しに戻った。

 完全に打ち取っていた打球で、残ったのは悔いだけではない。延長10回に逆転2ランを浴びた20日の広島戦(マツダ)に次ぐ2試合連続セーブ失敗という結果も残った。「過去のことを引きずることはない。引きずってもいいことはないから。投げれば打たれることもあるのが野球」と切り替えを強調した。悪い流れは上原でも止められず、延長11回、先頭・青木の右翼線二塁打の後、続く山田哲に中前適時打を許して決勝点を献上。「簡単に2人で取られているのが雰囲気としても良くない。連敗中はかなり迷惑をかけてしまっている」と唇をかんだ。

 残酷な敗戦でショックは大きいが、2人の代わりはいない。沢村を含めた勝利の方程式への首脳陣の信頼は変わらない。由伸監督は「うちのストッパーはマシソンなんでね。彼に託して、そこで逃げ切れないんで」とこの日はチームの形として敗れたことを受け止めた。「上原にもそう。次また頑張ってもらうしかない」と反骨心に期待した。

 指揮官が開口一番、指摘した通り、2点目が奪えなかったのも響いた。初回の亀井の先制左前適時打の後、打線は沈黙。5回2死二塁、吉川尚の痛烈なライナーは、山田哲の美技に阻まれた。延長10回1死一、二塁から阿部、石川の代打攻勢も不発に終わった。

 投打のかみ合わせが悪く、今季ワーストタイの6連敗で首位・広島とは10差。借金4として、後半戦開幕から続いたロードを終えた。27日からは19日ぶりに本拠地に戻る。「また仕切り直し? そうだね」と指揮官は前を向いた。悔しさは忘れず、それでも新たな気持ちで上を追いかける。(西村 茂展)

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