【巨人】マルティネス、初打席弾デビュー!お立ち台叫んだ「アリガトウゴザイマス。サイコー」

スポーツ報知
2回1死、マルティネスが右中間に初打席初本塁打となるソロを放つ(カメラ・矢口 亨)

◆巨人5―0中日(27日・東京ドーム)

 大歓声に包まれながら、マルティネスの打球は右翼席最前列へ吸い込まれた。

 一塁ベンチは総立ちとなり、客席はオレンジタオルで揺れた。支配下登録即スタメン起用に応える、初打席初本塁打の離れ業。6連敗中の重苦しい空気を振り払う一打に、仲間と笑顔でハイタッチし、マギーとは抱擁。初のお立ち台では「アリガトウゴザイマス。サイコー!」と声を張り上げた。

 2回1死。フルカウントから山井の高めフォークを振り抜いた。「1軍で出たら思い切りスイングして、ボールにぶつけたいというのが自分のテーマだった」。阿部から譲り受けたバットで、巨人では13年のロペス以来、育成出身では初となる初打席初本塁打。由伸監督も「外国人枠があったりする中で、2軍では今年いい結果を残していた。こうして1打席目で結果を出したのは、本当に大したもんだと思う。それが本当に空気を変えた」とたたえた。

 努力が実った。「親戚がスイッチヒッターだったのを見て、自然と自分もそうなった」という両打ちだが、入団1年目の昨年、左打席の評価は低かった。当時巡回打撃コーチなどを務めていた内田2軍打撃コーチは「左は確実性が低かったので、厳しいかなと思った」と振り返る。それでも、オフ期間に体重が86キロから95キロに増量。さらに同コーチから教え込まれたスタンスを広げ、軸足に体重を残すフォームで繰り返しバットを振り込んだ。その成果もあり、生まれた左打席の一発だった。

 2軍で支えとなったのは、同郷のスーパースターの教えだった。憧れの打者はメジャー通算305本塁打のロビンソン・カノ(マリナーズ)。実はカノの父が開くアカデミーに13歳の時に通っていたことがあり、オフ期間はドミニカ共和国で一緒に練習することもある。技術面のアドバイスも受けたが、一番胸に響いた言葉は「しっかり、真面目に練習するんだぞ」。アダメス、メルセデスが育成から先に支配下登録されても、ジャイアンツ寮の地下室で夜遅くまで打撃練習に没頭。そして、チャンスを生かした。

 二塁の守備もミスなくこなした。前日の試合ではメルセデスがデビューから20イニング連続無失点で球団最長記録を更新したが、この日また、新たなヒーローが誕生した。(後藤 亮太)

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