【巨人】高田、2回6失点の最悪デビューで2軍落ち「まだまだだなと…」

スポーツ報知
1回無死一、三塁、プロ初登板の高田が大島に先制の左中間適時二塁打を打たれる(カメラ・森田 俊弥)

◆巨人2―9中日(29日・東京ドーム)

 巨人の高卒2年目右腕・高田が、2回6失点とホロ苦デビューとなった。初回先頭から、四球を挟んで4連打などで4点を失うと、2回も2安打2失点。3つの盗塁を許すなど、走者を置いた場面でも課題を残した。左膝痛のマシソンが出場選手登録を抹消され、開幕時の方程式USA(上原、マシソン、カミネロ)が崩壊。若手にとってはチャンスだが、中川が3失点、無失点だった池田も投手に四球を与えるなどピリッとせず。3カード連続負け越しで借金は5に膨らんだ。

 圧倒的なプロの力を見せつけられた。高田はベンチでぼう然と、スコアボードに視線を送った。プロ初打席に向けてヘルメットとレガーズを装着したが、その出番は来なかった。2回6安打6失点で初黒星。「レベルの高さが身にしみて分かった。まだまだだなと改めて思いました」。悔しさを押し殺した。

 1軍の実力は、はるか上だった。先頭の京田からいきなり3連打を浴び失点。「(直球を)簡単にヒットにされてしまう。自分の中でもどうやってアウトを取ろうか、取り方がイメージできなかった」。自己最速154キロの直球が武器。ファームでは直球でファウルやストライクが取れていたが、この日の最速は初回の148キロ止まりで、簡単に前に飛ばされた。その後も制球が乱れ満塁のピンチで失点。盗塁も3個を許し、4四死球とプロ初登板は“ほろ苦デビュー”となった。

 高校時代に「松坂2世」と称され巨人に入団。1年目は3軍で下積み生活を送り、2年目で2軍のローテ入りを果たした。だが、他球団を見ると同級生は最前戦で活躍。“BIG4”と呼ばれた楽天・藤平、広島・高橋昂らの他にも、今年は阪神・才木、DeNA・京山、中日・藤嶋らが次々と初勝利を挙げた。

 「正直、一番自分の中で刺激になるし、気になります。今年は同世代の右投手がいいし活躍している。すごいなと思いながら、負けたくないなって」

 感情を表面に出さないが、秘める思いは強い。夢の舞台を目指し、食事も栄養面を配慮。登板間隔が長い時はたんぱく質を多めにとり筋肉のリカバリー。登板が近くなると炭水化物をたくさん取り、エネルギーを蓄えた。「去年は3軍の全体練習が終わってウェートする力もなかったけど、今年は意図を持ってしっかりやれている」。土台を作り、ファームで結果を残し、この日に照準を合わせた。だが、プロの世界はやはり、厳しかった。

 由伸監督は「結果と内容は違う部分もある。いいボールもあったかなとも思う。今はそれが良かった、悪かったとかよりこれから。2軍で投げたことよりもここで投げたことが、今日はまずは第一歩。次につながれば、高田に関してはいいと思う」と、責めずに背中を押した。

 「課題はたくさん見つかったので、一つずつ潰していけたらいいと思います」と高田。試合後に2軍落ちが決まったが、進化した姿で1軍に戻るのをファンは待っている。(玉寄 穂波)

 ◆高田 萌生(たかた・ほうせい)1998年7月4日、岡山・新見市生まれ20歳。小3からソフトボールを始め、高知・明徳義塾中出身。岡山・創志学園高3年の春夏に甲子園出場。16年ドラフト5位で巨人に入団。イースタン・リーグでは今季14試合に登板、5勝2敗、防御率3.14で47奪三振。3完投2完封。名前の萌生は「芽ばえる」という願いを込めてつけられた。178センチ、75キロ。右投右打。年俸540万円。

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