【巨人】吉川光、7回1失点で4勝!2か月ぶり先発で生きたリリーフの経験

スポーツ報知
7回1失点の好投で4勝目を挙げた吉川光(カメラ・清水 武)

◆DeNA1―7巨人(1日・横浜)

 ペース配分は全く考えず腕を振った。吉川光が全力投球の積み重ねで凡打の山を築いた。3点リードの6回2死一、二塁。伊藤を148キロ直球で押し込んで一飛に抑えた。「(初回から)いけるところまでいくんだという気持ちで投げていました」。7回の攻撃で打席に立って続投。移籍2年目で最長となる7回を103球、5安打1失点と好投し4勝目をつかんだ。

 今季は開幕ローテに入るも、5月下旬までに9度の先発で3勝3敗、防御率5点台で2軍落ち。7月上旬の1軍再昇格後はリリーフで4登板していた。ヤングマンの左手骨折により巡ってきた2か月ぶりの先発。「リリーフの時と同じように一人一人勝負していく」との言葉通り、試合前の行動に決意が表れていた。

 通常、先発投手が行う開始直前の遠投を行わなかった。斎藤投手総合コーチは「リリーフをやって感じるものがあったみたい。マツダ(7月20日の広島戦)でも(2回降板の山口俊の後に)急きょマウンドに上げて150キロをバンバン投げていたわけだから(4回1失点と好投)」と説明。事前準備の時間をリリーフ同様に最低限とすることで慣れたリズムで臨み、試合で最大限の力を発揮。強力・DeNA打線に直球主体の力勝負で押し込んだ。

 趣味は読書。遠征の移動時は、寝るよりも本を読む方がリラックスできるという。「今年、読んだのは『マスカレード・ホテル』(東野圭吾)、『破獄』(吉村昭)、『プリズン・ブレイク』、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』、『ラプラスの魔女』。他にもいろいろありますよ。『ハリー・ポッター』は全シリーズ読みました」と小説などのタイトルがスラスラ出てくる。何日かに分けて読むよりも集中して一気に読破するタイプ。昨年からメンタルトレーニングも導入し、技術だけでなく精神面も充実している。

 勝ちパターンのマシソン、上原が登録抹消というブルペン事情の中、前日31日に完封の内海に続き吉川光が7回を投げたことは大きい。「直球をしっかり投げられた。誠司(小林)がいい球を選んで投げさせてくれました」。試合後、1学年後輩・小林との「広陵高バッテリー」で力強くハイタッチした。(片岡 優帆)

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