【巨人】男・村田魂継承!岡本、決勝3ラン含む4打点「教えてくださったことが今に生きている」

スポーツ報知
4回無死一、二塁、左越え3ランを放ち、一塁を回る岡本(カメラ・清水 武)

◆DeNA1―7巨人(1日・横浜)

 巨人が岡本の勝ち越し3ランでDeNAを突き放し、ヤクルトを抜いて2位に浮上した。昨年まで巨人でプレーしたBC栃木の村田がNPB復帰断念の会見を行った日に、背番号25を受け継いだ若き大砲が4回に19号。背番号だけでなく、長距離砲としての魂を引き継ぐ一発だった。先発・吉川光は7回5安打1失点で5月16日以来の4勝目。6回に吉川尚が、一塁にヘッドスライディングして左手を骨折し途中交代したが、一丸野球で8月は白星発進。4カードぶりの勝ち越しとなった。

 背番号25に恥じないアーチを、岡本が横浜の夜空に描いた。同点の4回無死一、二塁。浜口の低めに沈んでいくチェンジアップに対して、軸足の右膝は地面につきそうだった。それでも最後まで粘り、バットに乗せた打球を左翼席まで運んだ。

 4戦ぶりの一発となる19号勝ち越し3ランに、「自分でもビックリした。チェンジアップに全くタイミングが合っていなかったので。奇跡です」と目を丸くした。由伸監督も「いい本塁打だったね。下半身でよく粘って打った感じだったね」とうなずいた。

 背中を追いかけてきた偉大な先輩がこの日、大きな決断を公表した。昨年まで同じチームでプレー。今年はBC栃木に在籍する村田が会見を行い、現時点では来季のNPB復帰を目指すつもりがない考えを示したのだ。

 今季から背番号25を継承した若き大砲にとっては、1年目のオフにはグアム自主トレに誘ってもらうなど、打撃、守備、全ての面で多くのアドバイスをもらってきた存在。「ずっと憧れてきた選手なので一緒にプレーできたことがうれしかった」と振り返るほど、影響を受けていた。

 4年目の今季は2年連続開幕スタメンをつかみ、前半戦までに16本塁打、50打点と堂々の成績を残した。それでも、同時期には「まだまだこれからだぞ、頑張れ」とLINEが届くなど、いつも気にしてもらってきたという。そんな心優しい先輩にも届くような、大きな一発。「実力も経験も天と地の差があるけどいろいろと教えてくださったことが今に生きている」と改めて感謝した。

 3点リードの8回には2死三塁から試合を決定付ける左前適時打でこの日2安打4打点。3戦連続複数安打で、リーグトップの112安打、チーム単独トップの60打点だ。それでも「ヒット1本打つことは難しいことなので、気を抜かずにやっていきたい」と話した。

 これでチームは4カードぶりの勝ち越しを決めた。ただ、6回の攻撃では走塁時に吉川尚が負傷交代。後半戦に入り、主将・坂本勇、ヤングマン、マシソンと立て続けにアクシデントに見舞われている。苦境が続くが「けがをしている選手の穴は大きいですけど、何とか試合に出ている以上はそういうところ(影響)を見せないように。そうじゃなくても(いる選手で)勝てるというふうにしていけたら、チームも強くなる」。強い覚悟を胸に秘める第89代4番が、まだまだチームを押し上げていく。(後藤 亮太)

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