【巨人】山本、満点代役!昇格即先発で結果、犠打から先制&遊撃8度さばいた

◆DeNA2―3巨人(2日・横浜)
鮮やかな先制劇をアシストした。山本がバットを水平に構える。初回無死一塁、2ボールからの3球目、内角直球をきっちりと投前へ転がした。序盤、球が荒れ気味だったウィーランドから一発で決め、いい流れは加速した。「求められている部分なので、絶対決めなきゃいけない重圧はありましたが、無事に決められて良かったです」。続くマギーの先制適時打も必然だった。
由伸監督の抜てきが、ズバリとハマった。1日のDeNA戦(横浜)で吉川尚が左手を骨折。長期離脱を強いられることとなった。代わって昇格させた山本を「2番・遊撃」で即スタメン起用。初回の先制点に絡む犠打は、理想とする「主導権を握った戦い」を実現させた。さらに5回には内野安打をマーク。守っても8度あった守備機会も難なくこなし、打たせて取ったメルセデスを支えた。4月5日に抹消されて以来、ファームで汗を流していたが「久々の1軍だったけど、いい動きだった。初回、ああいったところをきっちり決められたのが、流れよく先制点につながった」と指揮官も目を細めた。
後半戦に入って主将・坂本勇にヤングマン、マシソン、そして吉川尚と主力選手の故障離脱が続く。当然、チームにとっては痛恨以外の何ものでもないが、指揮官は常に口にする。「選手にとってもある意味、出場するチャンスではある。出た選手は頑張ってほしい」。チームの逆境も、個人には好機とばかりにハッパをかける。自らにも手の内にないカードを嘆くのではなく、あるカードで現状を打破していく。用兵と采配でチームを動かしていく姿勢はぶれない。
この日の殊勲者となった山本は、坂本勇や吉川尚とは違う“色”を出すことがチームの貢献につながると考える。「粘り強い守備、走塁だったり、相手が嫌がるプレーができるようにしたい。久しぶりの1軍でしたが、入りはまあまあだと思います」と意気込んだ。村田ヘッドコーチも「バントも決めて、1安打でエラーなし。100点満点ちゃうの?」と絶賛。訪れる試練はカバーできる全員で乗り越える。その度にチームの“幹”は太くなる。(西村 茂展)