【巨人】メルセデス「うれしい」初完投で初登板から3連勝!18年ぶり左腕トリオでベイ3タテ

スポーツ報知
来日初完投勝利を挙げ、宇佐見に抱きつくメルセデス(カメラ・中島 傑)

◆DeNA2―3巨人(2日・横浜)

 巨人のメルセデスが3安打2失点で初完投し、初登板から3連勝を飾った。6回、桑原に2ランを浴びてデビューからの連続無失点は25イニングで止まったが、1点差の9回も3人であっさり片づける安定感で白星をもぎ取った。

 打線は左手を骨折した吉川尚に代わり「2番・遊撃」で先発した山本が初回に送りバントを決め、マギーの先制二塁打につなげる仕事を披露。4回に長野が適時打、6回には亀井のソロで加点し、同一カード3連勝に結びつけた。

 未体験の喜びに、胸が熱くなった。1点リードの9回2死、ロペスへの初球・チェンジアップ。メルセデスは足元に転がってきた打球をしっかりつかむと、丁寧に一塁へ送った。27個目のアウト。思いっきりグラブをたたき、ナインたちと熱い抱擁を交わした。人生初の完投に「非常にうれしい。ウィニングボールもゲットしたのでうれしいです」と満面の笑みを浮かべた。

 20イニング連続無失点で迎えたこの日。5回まで四球1個だけのノーヒットと快調だった。だが、6回1死一塁で桑原に左翼2ランを浴び、無失点記録は25でストップ。「打たれたことは過ぎたこと。冷静に投げることが大切」と気持ちを切り替えた。

 揺れる直球、スライダーだけでなく、来日後に覚えたチェンジアップが効いた。バッテリーを組んだ宇佐見との戦略で5回から解禁。「空振り、ゴロも取れた。今日はチェンジアップに助けられた」と、タイミングを外し的を絞らせなかった。9回111球3安打2失点。由伸監督も「本当にいい投球が続いている。頼もしい限り」と称賛の言葉を贈った。

 初登板から自身3連勝。好結果の秘密は「ファームでしてきたことが結びついている」と分析する。練習から「アリガトウゴザイマス」「ガンバリマス」など礼儀正しい印象だが、昨年、豊田2軍投手コーチ(当時)から大目玉を食らったことがある。イースタン・リーグの優勝が決まる9月28日のヤクルト戦(戸田)。試合中のブルペンで遊んでいる姿を見とがめられた。「何してるんや。もう3軍に行きなさい!」。チーム一丸で戦うことの重みを知ってほしかったからこその怒りだった。

 翌月のフェニックス・リーグでは経験にない走り込みメニューが用意され、毎日倒れ込みそうになるまで走り続けた。そして、蒸し暑いハマスタでも完投するタフさを身につけた。「2軍は1軍にない激しい練習をする」と振り返り笑うが、「コーチの話を聞いて一生懸命やってきたのが良かった」と、当時の努力が現在の最大の“財産”と振り返る。

 助っ人の快投でチームは今季初めてDeNAに3タテを食らわせた。左手骨折のヤングマンに代わった2戦目の吉川光を含め、初戦に登板した内海と左腕3人の先発で3連勝を決め、借金を「2」に減らした。「一生懸命なところを見てほしい」とアピールしたメルセデス。DeNAに勝ち切った3つ目は、チームと自身にとっても大切な1勝になった。(玉寄 穂波)

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