【巨人】沢村、1死も取れずサヨナラ押し出し四球で3位転落

スポーツ報知
9回無死満塁、サヨナラ押し出し四球を与え、ベンチへ引き揚げる沢村(カメラ・中島 傑)

◆中日4x―3巨人(3日・ナゴヤドーム)

 巨人は2度同点に追いついたものの、中日にサヨナラ負け。連勝は3でストップし、借金3で3位に後退した。2点を追う7回に亀井とマルティネスがタイムリー、1点差の9回には代打・阿部が右前適時打を放ったが、その裏に登板した守護神・沢村が無死満塁から押し出し四球を与えた。先発した山口俊は、ノーヒットノーランを達成した7月27日以来の同カード登板。初回に2失点しながら7回8安打3失点と粘投も、白星を逃した。

 細心の注意を払って投げたはずの1球は無念にも、高めへ外れた。沢村はうつむきがちに、三塁ベンチへと歩を進めた。9回無死満塁。フルカウントから大島を四球で歩かせ、サヨナラ負けが決まった。2度のビハインドを追いつく粘りを見せたが、一歩及ばず。由伸監督は「沢村もそうだし、(7回の)山口俊のところもそう。四球からだったんでね。そこはちょっともったいない」と流れを手放した投手陣を指摘した。

 自分で自分の首を絞めた。9回に代打・阿部の適時打で同点として、マウンドへ送られた。だが、先頭の代打・藤井に痛恨の四球。さらに続く京田のバントを自ら処理したが、二塁へ悪送球し、無死一、三塁と傷口を広げた。ひとつずつアウトを取るべく、俊足で小技の利く亀沢を申告敬遠で塁を埋めたが、続く大島に押し出し四球を与え、結局、1死も取れず、無安打で決勝点を献上した。「チームが追いついた中で先頭打者に四球を出してしまった。(バントは)胸に投げていればアウトだったと思うのですが、焦ってしまった。チームに迷惑をかけてしまった。接戦で僕を出してくれたのに、申し訳ない」と猛省した。

 とはいえ、もう沢村しかいない。マシソンは左膝痛で、カミネロ、上原もファームで再調整中。開幕時に結成した勝利のカルテット「USA」で唯一、フル回転しているのがこの右腕で、指揮官が「沢村に頑張ってもらうしかない? そうだね」と信頼は変えないのは当然だ。抑えは経験が最も物を言うポジションといっても過言ではない。16年にセーブ王を獲得した実績を持つ背番号15が反省、修正し今後に“奮輝”する姿を誰もが信じている。

 指揮官の言う通り、山口俊ももうひと粘りが欲しかった。無安打無得点を達成した7月27日から中6日で同じ中日と対戦。初回に4安打を浴びて2点を失うも、その後は走者を出しながらしのいだ。だが、同点とした直後の7回、先頭の代打・荒木に与えた四球をきっかけに2死一、二塁からビシエドに勝ち越し打を許した。「先頭への四球です」。沢村と異口同音に反省した。

 連勝は3で止まり、この日試合のなかったヤクルトにかわされて3位に転落した。村田ヘッド兼バッテリーコーチは手厳しく言った。「先頭への四球は、投手にとってはミスやから」。大事にしたい得点直後のイニングで、先頭打者への四球。投手の“タブー”を二重に犯せば、試合の流れは相手に傾くのは必然。自ら水を漏らすことは避けなければいけない。(西村 茂展)

 ◆巨人のストッパー事情 上原マシカミ離脱「USA」構想崩壊 開幕からカミネロが抑えを務めて上原、マシソン、沢村との「勝利の方程式」を形成。カミネロが不振のため交流戦明けから2軍調整となりマシソンが守護神となった。上原が再調整のため7月26日に登録抹消。立て続けにマシソンが左膝痛で同29日に登録抹消となり、沢村がストッパーになった。2軍の抑えだったアダメスが1軍昇格も、沢村につなぐ投手は試合展開によって流動的。現在2軍はカミネロが実戦復帰して主に9回に登板している。

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