【巨人】今村、無四球初完投、初完封！「僕らの世代がしっかりしないと」

◆中日０―２巨人（５日・ナゴヤドーム）

　巨人・今村が中日打線を相手に６安打で三塁を踏ませず、プロ初完投を無四球完封で飾った。先頭打者の出塁を一度も許さず、安定した投球で３勝目。今週の６連戦をチームは５勝１敗で終えたが、内海、吉川光、メルセデス、池田と全てサウスポーが勝利投手になる“左腕ウィーク”となった。打線も４回にマギーが先制１３号ソロ、マルティネスが適時二塁打で援護。２カード連続の勝ち越しで、借金を「１」に減らした。

　ピンチを乗り越えた先に、最高の景色が待っていた。今村は２―０で迎えた９回２死から連打を浴び、一、二塁とされた。マウンド上では斎藤投手コーチに「代えないよ」と告げられた。あとアウト１つ。アルモンテにフォークを投じ、最後は中飛で締めた。プロ初完封は無四球の快投だ。ガッツポーズし、小林と笑顔でハイタッチ。お立ち台では「最高です！」と叫んだ。

　まいた餌に強竜打線がかかった。今季はあまり使っていなかったスローカーブを４回に１球、まず解禁。６回２死一塁ではビシエドに初球から２球連続で投げ、タイミングを外して遊ゴロに仕留めた。「誠司さんがうまく３、４球使ってくれた。僕の直球でもちょっと速く見えたんじゃないかな」。１４０キロ台の直球でも大胆に内角を攻め、１２１球で三塁を踏ませなかった。

　昨季はイースタンで９勝４敗。期待されて１軍に呼ばれるも３戦で０勝２敗、防御率５・６８に沈んだ。「俺は何をしてるんやろ」。２学年下で同じ高卒入団の田口は１３勝で２年連続２ケタ勝利。「田口に抜かされたのは本当に悔しい」と、こぼしたこともあった。他球団では広島・岡田、ソフトバンク・武田、日本ハム・近藤ら同世代が主力に成長。巨人で１軍に帯同し続けたのは石川と重信のみだった。

　「僕らの世代がしっかりしないと。自分も結果を残さないと。もう７年目だ」。挽回するため、オフにはメンタルトレーニングに励んだ。効果は十分。自己最長だった７回を優に超えた。「気持ち的な面で成功できている」とマウンドでも動じることがなくなった。

　由伸監督は「本当にいい投球をしてくれた。今日はいい結果が出たので、さらに一歩上に行ってくれれば」と、はい上がった２４歳を評価した。今季、巨人で完封した投手は菅野、山口俊、内海に続き４人目。巨人で完封投手がシーズン４人は日本一に輝いた１２年（杉内、内海、沢村、宮国）以来だ。今村の奮投もあり、先発陣が整備されてきたのは、終盤に向けて明るい材料だ。

　今週の６連戦は５勝１敗。白星は全て左腕で、うち先発が４勝を挙げた。「自分も中継ぎ陣を助けられる投球ができたらなと思っていた。最高の結果になってよかった」と今村。奪ったローテの座は、もう離さない。（玉寄　穂波）