【巨人】長野、入団から9年連続10号 「夏男」復活の気配

スポーツ報知
2回2死、左越え10号ソロを放つ長野(カメラ・関口 俊明)

◆巨人4―7阪神(7日・東京ドーム)

 表情ひとつ変えなかった。長野は淡々とダイヤモンドを一周した。4点を追う2回2死。岩貞の高め143キロを、左翼席にたたき込んだ。2試合ぶりの10号ソロ。入団から9年連続の2ケタ本塁打は、巨人では長嶋、原、松井、高橋由、阿部しか達成していない。6人目に、長野が名を連ねた。

 10年の新人王に始まり、11年の首位打者、12年の最多安打と、かつてはタイトルハンターだったが、14年オフに右肘・右膝のダブル手術を受けて以降は低迷し、復活を目指して昨オフからウェートトレーニングも初めて本格的に導入。「トシを取れば体力は落ちるし、そうなった時に頼れるものを残しておきたい」と封印し続けてきたことを考えれば、「ウェート解禁」は背水の覚悟の表れだった。

 シーズン中盤を過ぎてもなかなか数字が伸びず、打率も2割台で停滞していた。ユニホームやキャップなどの消耗品を交換する際には、裏方スタッフに「打てるようになりそうなものをお願いします」と頭を下げた。盛り塩をしたこともあった。バット一本で勝負してきた男が、ゲン担ぎにも頼った。

 4回には中前適時打を放つなど2安打2打点で、8月は5戦18打数10安打の打率5割5分6厘。手術を受ける前は8月の月間打率が3割を切ったことがない「夏男」が復活の気配だ。本人は「僕はホームランバッターじゃないので…」と首を横に振るが、弾道と飛距離はスラッガーそのもの。シーズン101試合目での2ケタ到達も、打率2割7分2厘も、長野の力をもってすれば物足りない数字だ。(尾形 圭亮)

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