【巨人】松井さん、岡本の成長に喜び“4番死守”期待「つかんだら離すな」

◆巨人3―1阪神(8日・東京ドーム)
巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(44)が8日、スポーツ報知に特別観戦記を寄せた。春季キャンプで臨時コーチとして指導した岡本の打撃の成長を喜び、“4番死守”を求めた。また、一発を放った阿部の意地を称賛。ナインへは残り試合での巻き返しへ「一戦必勝」とエールを送った。(構成=楢崎 豊)
今春キャンプで臨時コーチとして指導した岡本が4番に座るまでに成長した。半年ぶりに見た若き主砲の姿はどのように映ったのか。
「本当に立派だと思います。打席から自信が見えました。本塁打数もそうですが、打率3割をキープしているところが素晴らしい。今春キャンプでは、下半身の体重移動についてと、ボールをしっかり呼び込むことを話しましたが、今日見た限りでは2つともできている印象です」
初回2死一塁では左中間二塁打を放ち、阿部の本塁打につなげた。
「初回の二塁打は甘い球を逃さなかったし、3打席目の中飛も、崩されてはいましたが、しっかりとらえていました。1試合見ただけではわからないですが今年、成績を残しているのは納得できる打席内容でした」
4年目を迎えた岡本は交流戦の途中から4番を任されている。松井氏は3年目の95年に初めて4番に座ったが、負傷した落合博満氏の代役に過ぎず、4番での出場は6試合に留まった。
「翌年(4年目)は開幕から4番でしたが、成績がイマイチで、1か月で代えられました。岡本君がこのまま打ち続けられれば、素晴らしいと思います」
岡本が4番を守り続けるために大事なものは何か。
「今は与えられた4番と思っているかもしれないけど、自分がやらなくてはいけないという意識を持つことです。すべての出発点は自分の意識。自覚を持つことに早いも遅いもありません。巨人の4番は特別な場所。つかんだのなら、離さない―。そういう気持ちが大切です」
巨人時代に一緒にプレーをした阿部が決勝3ラン。お立ち台に上がった後輩へ手を振る場面もあった。
「追い込まれた中で、失投を一発で仕留めるのはさすがですね。39歳の“おっさん”にはそう簡単にできないことですから。これからも頑張ってほしいです」
首位・広島とはゲーム差が開き、苦しい戦いが続く。けが人も多い。それでも、松井氏は前を見据えた。
「高橋監督、コーチ陣には『頑張ってください。応援しています』と伝えました。若い選手には逆にチャンスだと思ってやってほしい。けが人が戻ってきたら出場機会は減るかもしれないけど、チャンスはチャンス。ゲーム差を気にしていても仕方がありません。一戦必勝の積み重ねだと思います」