【巨人】元気な18年目39歳・阿部、猛打賞!ついてこい!!

スポーツ報知
1回2死三塁、阿部が右適時打を放つ(投手・秋山、捕手・坂本)

◆巨人2―3阪神(9日・東京ドーム)

 巨人は8回、2番手の沢村が糸井に超特大の決勝13号ソロを浴び、逆転負け。今季の1点差試合は8勝20敗となり、3カードぶりに負け越した。初回にプロ初の1番に入ったマルティネスが左中間二塁打を放ったが、三塁にヘッドスライディングした際に左手小指を負傷するアクシデントに見舞われた。それでも、2日連続でスタメン出場した阿部が今季初の猛打賞を記録するなど、光も差す。借金2。厳しい戦いは続く。下を向いている暇はない。39歳の闘志に負けることなく、G戦士よ奮起せよ。

 いつも以上に悔しさが表れていた。何を聞いても言葉少なの由伸監督だが、何とか必死に口を開いた。「追加点? なかなか、そこが届かなかった」。山口俊は粘ったが―。「その間に何とか1点を取らないといけなかった。先にね」

 2試合連続して初回に主導権を握った。重信、阿部のタイムリーで2点。だが、3~8回まで毎回安打を放ちながらも、あと1本が出なかった。この試合、あえて中5日で山口俊を先発起用。菅野との“柱”をぶつけ、何とか接戦を取ろうという指揮官の意思表示だったが、投打の歯車はかみ合わなかった。右腕は7回、先頭・ナバーロに同点弾を食らった。

 マシソン、カミネロ、上原も欠く今、ブルペンは沢村頼み。だが8回、糸井に右翼席最上段の壁にぶち当てられて、流れを完全に逸した。点が取れそうで取れない巨人攻撃陣をあざ笑うかのような豪快な一撃で、指揮官は「頑張ってもらわないといけないんでね。今はどこででも行ってもらうしかないんだから」と指摘した。

 負の連鎖はどこまで続くのか―。亀井が7日の初戦に受けた死球の影響で2戦連続スタメンから外れ、この日はマルティネスにアクシデントが発生した。初の1番に抜てきしたが、初回先頭で左中間二塁打を放ち、相手のミスを突いて三塁にヘッドスライディング。この際、左手小指を負傷した。坂本勇や吉川尚、マシソンやカミネロもけがで戦線離脱中。成長著しいマルちゃんまで試合から姿を消した。

 頼みの綱は、元気な阿部だ。初回の右前適時打に続き、6回には先頭で中前安打。8回1死では右翼線二塁打で好機を演出し、今季初の猛打賞をマーク。ただ百戦錬磨の男は「負けたらしょうがない」と責任を背負った。由伸監督は「先発で行って、打席数があるといい結果を残す」と目を細めつつも、苦しい現状にはため息が交じった。

 前日の2戦目では初回に決勝の6号3ランを放ち、チームを救った。6月17日のロッテ戦(ZOZO)以来、約2か月ぶりの先発出場。試合後の食事中には座りながら寝てしまうほどの疲労感が襲った。「今、勇人もいないしベテランが頑張らないと」と老体にムチを打つ日々だが、もどかしさが募る一方のようだ。

 首位・広島とは今季最大11・5ゲーム差まで開いた。だが、指揮官は常に「目の前の試合に全力で戦うしかない」と顔を上げる。けが人が続く危機的状況の下、言い訳しても仕方ない。今こそ、何度も逆境をはねのけてきた背番号10に頼るしかない。(水井 基博)

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