【巨人】信じられない…8回大逆転もサヨナラ負け

スポーツ報知
9回1死満塁、ヤクルトにサヨナラ負けを喫しうなだれるアダメス(カメラ・中島 傑)

◆ヤクルト6x―5巨人(14日・神宮)

 巨人がまさかの逆転サヨナラ負けで3位に転落した。4点ビハインドの8回、岡本の適時打をきっかけに2死満塁から代打・阿部の走者一掃同点二塁打、さらには代打・長野の勝ち越し打で一挙5点と逆転に成功したが、1点リードの9回裏にアダメスが1死満塁から川端に2点二塁打を食らい、ジ・エンド。一度はひっくり返しただけに、悔しさもひとしおだ。これで今季の1点差試合は8勝21敗、サヨナラ試合は1勝7敗と競り負けが目立つ。残り36試合。しっかりと粘り強く白星をつかんでいきたい。

 懸命に打球を追って下がった長野の頭上を、無情にも白球は越えていった。1点リードの9回1死満塁。アダメスが川端に右越え2点二塁打を浴びて、まさかのサヨナラ負け。二塁付近に広がった歓喜の輪が解ける頃、由伸監督はクラブハウスへと歩みを進めた。「何とかアダメスに踏ん張ってもらいたかった? まぁ、そうだね」。言葉の端々に悔しさがにじみ出た。

 地獄から天国へ、一度ははい上がった。ヤクルト・小川を攻めあぐね、0―4の劣勢で迎えた8回2死一、三塁から岡本が左前適時打を放ち、反撃ののろしを上げる。さらに亀井が中前安打でつないで2死満塁。ここで代打・阿部が打ち上げた飛球が、左翼線へポトリと落ちる奇跡的な同点二塁打。さらに代打・長野が左前適時打と7安打5得点の猛攻で逆転に成功。「もっと早い回から攻撃できれば良かったけど、でも一度はひっくり返したんでね。そこはよく粘ってくれた」と指揮官も評価。ツキにも恵まれ、誰もが勝つ流れだと確信した。

 だが―。最後の最後で勝利の女神にはフラれた。最終回を託されたアダメスは先頭・青木、続く山田とも簡単に追い込みながら、決め球が甘くなり連打された。「ブルペンでは調子が良かった。(外野が)前進守備になる場面にしたくなかった」。右腕が悔しげに振り返った通り、最後の打球も定位置なら捕球できていたかもしれない。サヨナラとなる走者を簡単に出してしまったことで、全てが暗転した。

 試合前にグラウンド入りした際、由伸監督は言った。「あと37試合だからね」。巨人はヤクルトより8試合、阪神とは11試合も消化が早く、この日が107試合目。シーズン終盤は“相手の結果待ち”になるだけに、少しでも勝ち星を稼ぎ、リードを広げて相手を待ちたい現状がある。それだけにこの1敗は痛いと言わざるを得ない。借金は3となり、ヤクルトにかわされて3位に転落し、4位・阪神とのゲーム差もなくなった。

 救援陣では上原、マシソン、カミネロの不在は確かに大きく響く。左膝痛のマシソンは早ければ今週末に2軍戦で実戦復帰予定だ。「今いるメンバーでまた頑張るしかない」と指揮官は前を向いた。故障者が戻ってくるまで、全員でカバーしていくしかない。(西村 茂展)

巨人

×