【巨人】岡本、神宮1号“セ界制覇弾” 途中交代も「大丈夫です」

スポーツ報知
3回2死二塁、岡本が左越えに22号2ランを放つ(捕手・中村=カメラ・堺 恒志)

◆ヤクルト5―11巨人(15日・神宮)

 巨人は岡本の“セ界制覇弾”を含む4発などで11点を奪い2位に再浮上した。岡本は3回、セ・リーグの本拠地球場で唯一本塁打のなかった神宮で左翼席へ22号2ラン。2回の亀井の12号先制2ランに続いた。2点差に迫られた7回にはヤングGが躍動した。この日猛打賞の田中俊の右中間二塁打を足掛かりに代打・大城、重信の連続適時二塁打などで一挙4点。8、9回にも3点を追加したチームは5月16日のヤクルト戦(鹿児島)以来となる2ケタ得点を挙げた。

 打った瞬間に誰もがスタンドインを確信した。岡本が上半身がのけぞるほど豪快にバットを振り抜くと、打球は左翼席中段へ吸い込まれた。“セ界制覇”を決める一発に、ベンチへ戻ると笑みを浮かべた。2点リードの3回2死二塁。古野の高めの初球カットボールを捉え、22号2ラン。「追加点が欲しいチャンスの場面で積極的に打ちにいったことが、いい結果につながった」とうなずいた。

 この試合前まで今季21本塁打を放つも、東京Dを含むセ・リーグの本拠地球場で唯一、本塁打がなかったのが神宮。マウンド付近が高く、そこから外に向けて全体的に下がっているため、投手に少し上から投げ込まれる意識になるという。それでも、チームの命運を握る4番として「やりやすい球場、やりにくい球場とかはありますけど、そういうスキを見せてはいけない。とにかくいいところで打てるようにやるだけです」。有言実行の一撃にもなった。

 努力も実った。この日はナイター前にジャイアンツ球場で自主的に早出練習を行った。球場には通常のバッティングマシンやカーブマシン、球を上に置くスタンドティーなど様々ある中、岡本が選んだのは「バックスピン」という道具だった。

 従来のものとは違い、上からボールがつるされ、下半分だけが見えている特殊な構造のため、ボールの下側を叩くことでバックスピンをかける感覚が養われるという。シーズン中から「しっかり自分のスイングをすること」を意識している背番号25にその効果もあったのか、豪快な一発はしっかりとボールの下側を叩いたものだった。

 岡本の活躍に呼応するように、この日は若手野手陣の奮闘も光った。2点差に迫られた7回は田中俊、大城のルーキーコンビで1点を奪うと、重信、山本の大卒3年目の1、2番もつなぎ、この回一挙4点で終盤に貴重な追加点を奪うことに成功した。

 坂本勇、吉川尚が戦線離脱中と苦しい状況が続くが、14日に1軍昇格したばかりでプロ初の猛打賞をマークした田中俊は「みんなでカバーしあって、つながりを持ってやろうという意識がこういう結果につながった」。ヤングGの活躍などで16安打11点を奪い、由伸監督も「(得点は)どれも結果的には大きいよね。こういう展開になるんだからね」と振り返った。

 ここまで全108試合でスタメン出場中だった岡本は6回の打席で遊ゴロを放った直後の守備から途中交代。試合終了直後は姿を現すこともなく何らかのアクシデントがあった模様だが、村田ヘッドコーチは「明日は出るんちゃう」と話し、背番号25も帰宅時には「大丈夫です」と強調。主力に離脱者が多い今こそ、一丸で戦い抜く。(後藤 亮太)

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