【巨人】亀井、V弾も4打席凡退を反省「ミスした打席をよく覚えている」

スポーツ報知
2回、亀井が左中間に12号2ランを放つ

◆ヤクルト5―11巨人(15日・神宮)

 巨人は岡本の“セ界制覇弾”を含む4発などで11点を奪い2位に再浮上した。亀井は2回、先制の12号2ランを放った。

 ボールはなかなか落ちてこなかった。亀井は、徐々に走るスピードを落とした。「正直、風です。感謝です」。0―0の2回1死一塁。古野の外角142キロは高めに外れていたが、バットの先で押し返した。中堅・青木がフェンスによじ登ってグラブを伸ばそうとするも、打球はその上を越えていった。2日のDeNA戦(横浜)以来となる12号2ラン。終盤は打ち合いとなったが、亀井のこの一撃が先制V弾となった。

 14日の試合は4点ビハインドを一時は押し返したが、最後の最後でサヨナラ負けを喫した。2安打した亀井の表情も厳しかった。「毎試合、何万人というファンの人が応援してくれる。いい試合だったとしても、俺らは『しょうがない』で済ませちゃいけない」。大差だろうが僅差だろうが負けは負け。敗戦後はいつもそうやって自分を戒めている。

 昨季は6月18日のロッテ戦(東京D)で、延長12回に逆転サヨナラ3ランを放った。前打者のマギーが3度敬遠された末の劇弾だったが、そこに至るまで2打席連続で凡打。悔しさから、ベンチで思わずバットを叩き折った。だが、試合後に我に返ると、猛烈な後悔に襲われた。ふがいなさを道具にぶつけてしまったことを反省し、戒めとしてその折れたバットをロッカールームに飾り続けた。「バットを作ってくれた職人さんにも申し訳ない」と、オフには岐阜のバット工場まで足を運んで謝罪した。

 「打ったことより、ミスした打席のことのほうがよく覚えている」と言う。7割前後は凡打に終わるため当然かもしれないが、そうやっていつも失敗を教訓にし、何度もはい上がってきた。この日は先制2ランの後、4打席凡退。勝利の立役者のはずが、試合後は険しい表情を全く崩さず球場を後にした。次戦の背番号9に、期待せずにはいられない。(尾形 圭亮)

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