【巨人】菅野2安打完封!研究重ねて増えた引き出し

スポーツ報知
2安打完封で今季10勝目を飾り、捕手・小林と抱き合って喜ぶ菅野(右)(カメラ・矢口 亨)

◆巨人10―0中日(18日・東京ドーム)

 巨人・菅野がわずか2安打で三塁を踏ませず、後半戦初勝利を今季4度目の完封で飾った。約1か月半ぶりの白星で10勝目を挙げ、2年連続の2ケタ勝利を達成。今シーズン最多の138球で投げ切り、チームの連敗を止めた。7月6日の広島戦(東京D)で9勝目を挙げた後、4度の登板で勝てなかったが、苦しいやりくりが続く救援陣を助ける1勝。頼もしい大黒柱が戻ってきた。

 最後まで球威があった。9回2死一塁。菅野はビシエドを速球で二ゴロに抑えた。138球、自己最少タイの被安打2で今季4度目の完封。後半戦初勝利で10勝目。マウンド上で小林と満面の笑みで抱擁した。

 「何とか中継ぎの人たちを休ませてあげられたらなと。これだけ点数をもらって最後まで投げないわけにはいかない。もし8回で120、130球いっていても『最後までいかせてください』と言うつもりでした」

 4回で70球。斎藤投手総合コーチに「もう少し球数少なく頼む」と言われ、5回7球、6回9球と修正した。「ストライクゾーンで勝負するのは勇気がいることですが、体現できた」。7回1死、ビシエドの四球は、9点差だから本塁打OK―の考えはなかった。「1点取られたら僕の中では意味がなかった。0で終わるのと1、2点取られるのでは明日以降も違う」とチームのために完封を意識。8回で116球。責任感を胸に最後まで投げきった。

 今季、体調はずっと良いが、相手も徹底的に対策してくる。苦しい時期もあったが、下を向かず常に勝利への執念を見せてきた。

 「今年は圧倒的に野球を見る時間が増えました。休みの日でも、家のテレビでできるだけ1回から9回までリアルタイムで見ます。他球団の試合も見ます」

 人一倍の向上心で、昨年までも野球を多く見て研究熱心だった。今年はそれ以上に、さらに野球中心の生活。理由は「勝ちたいからですよ」。球場外でも配球や技術など、レベルアップのヒントを探りまくった。

 「配球だったり引き出しが増えて、そういうところで抑えられている部分は間違いなくあると思います」

 11日の広島戦(マツダ)は7回2失点。4登板連続白星なしも「見えた部分もある」と、収穫があった。

 「(3回に)菊池に二塁打を打たれて。(次の丸に)開き直りというわけじゃないけど、力んでもしょうがないなと。力感なく投げようと思って投げたら、それでも147キロくらい出て(直球で空振りも)。去年のいい時の感覚でした」

 後半戦は3登板連続4失点以上もあったが、ふとしたひらめきから、10割の力でなくてもいい球がいく好調時の感覚を思い出した。それも日頃から野球を熱心に勉強しているからだろう。この日は9回に最速タイ152キロを計測。力感なく投げる剛速球は威力十分だった。久しぶりのお立ち台。一つ勝つ難しさをかみしめた。「まだまだ試合数はありますし、誰一人諦めていないと思うので、最後まで戦い抜きたいです」と声を大にした。(片岡 優帆)

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