【巨人】長野、初看板弾が直撃通算100号のメモリアル弾

スポーツ報知
東京Dの看板に当てるソロを放つ長野

◆巨人10―0中日(18日・東京ドーム)

 まるでロケットのような勢いだった。長野のバットにはじかれた打球は、特大の弧を描いた。ボールが左翼席上部「インターネットイニシアティブ」の看板にぶつかる。「内角の球を、うまく打つことができました。(看板弾は)9年目で初めてなのでうれしいです」。4点リードの3回1死、山井の低め直球を捉えた。東京Dの「ビッグボードスポンサー賞」は、これで通算100号。長距離砲の称号を、メモリアル弾で手にした。

 並外れたパワーを持ちながら、ルーキーイヤーと13年にマークした19本塁打が自己最多だ。「トラックマン」などのデータ分析担当のチームスタッフからは「打球速度は球界でもトップクラス」と太鼓判を押される一方、「ゴロの打球の割合が多い。月に向かって打つようなイメージでやってみたらどうか」と助言された。この日はドーム球場のデーゲーム。もちろん見えるはずはなかったのだが、月を目指したかのような打球の角度と飛距離だった。

 一発攻勢に点火したのはマギーだ。0―0の3回1死一塁、左中間席の中段へズドン。「高めに浮いてきたスライダーに反応し、コンパクトに振り抜くことができました」。2戦連発の17号2ラン。前夜の同点弾は空砲に終わったが、この日は先制V弾となった。

 阿部も続いた。岡本が四球でつなぎ、なおも1死一塁。「今日の朝ひらめいた」と、右足を上げるタイミングをわずかに早めて「間」を長めに取り、低め141キロを豪快にかっ飛ばした。「芯先だったね」と振り返った当たりは、あと数メートルで看板直撃という特大の右越え2ラン。14日のヤクルト戦(神宮)では“神風”に後押しされての走者一掃3点二塁打を放っていたが、今度は文句なしの一撃だった。

 16年7月24日のDeNA戦(横浜)以来、2年ぶりとなる1イニング3本塁打で一挙6点を奪い、中日を沈めた。6回には岡本、8回には陽にも一発が飛び出し、先発全員の15安打で完勝。この1勝を、息を吹き返すきっかけにしなければならない。(尾形 圭亮)

 ◆ビッグボードスポンサー賞 90年シーズンから設けられた。東京Dのスコアボード両側に掲げられた巨大広告看板に打球を当てると、スポンサーから100万円相当の賞品か賞金が贈られる。看板アーチ第1号は90年5月25日、オリックスの松永浩美が日本ハム戦で、左翼のキリンビール看板に140メートル弾で決めた。

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