【巨人】東海大相模コンビが逆転サヨナラ勝利を演出 大城、代打3連続適時打&田中俊、同点打

スポーツ報知
9回1死二、三塁、田中俊が同点となる右前適時打を放ち、ベンチも盛り上がる(カメラ・川口 浩)

◆巨人6x―5中日(19日・東京ドーム)

 奇跡への扉を開いた。大城の強烈な打球が一、二塁間を抜ける。大逆転を信じるファンの歓声が一段と増した。9回1死一、三塁、中川の代打で適時二塁打。マルティネスの落ちる球を捉えて1点差に縮めた。「後ろにつなぐという気持ちで打席に入りました。点が入って良かったです」。次打者の田中俊に勇気を与え、4点差一挙逆転のサヨナラ劇を呼び込んだ。

 大城は代打で自身3打席連続タイムリー。6月10日の西武戦(東京D)のプロ初のサヨナラ打も代打だった。東海大相模高、東海大の名門で鍛えられた精神力なのか、しびれる場面で臆せず強振する。バッテリーを組むことも多い内海が「1年目とは思えないほどどっしりしている。おどおどすることが全くない。こっちから言うことは何もない」と驚くほどの強心臓ぶりをこの日も発揮した。

 中学まで沖縄・首里(那覇市)で過ごした。2歳年上の兄・昌士さん(27)は東海大相模野球部で、日本ハム・大田と同期。背中を追って入学した。「兄がいたのですんなりと入っていけた」と今でも感謝を忘れない。今夏、母校は甲子園出場を逃したが、7月24日の北神奈川大会準々決勝・相模原戦(横浜)で9回に3得点して逆転サヨナラ。ヤクルト戦のため倉敷にいたが、「本当ですか」を連発し、後輩から刺激をもらっていた。

 大城の一振りで闘争心に火がついたのが、高校、大学の1年後輩・田中俊だった。9回1死二、三塁、高いバウンドで一塁手の頭上を越える同点の右前適時打。「勢いがついて回ってきたので思い切りいきました」とサヨナラ打の次打者・マギーにつないだ。この一打でプロ2度目の3安打猛打賞。14日の1軍昇格後、23打数11安打、打率4割7分8厘と絶好調で、吉村打撃総合コーチの「攻撃的な打順にするために2番に入れた」という起用に応えた。

 大城はNTT西日本からドラフト3位、田中俊は日立製作所から同5位で入団の新人。社会人を経て再び同じチームとなった2人がミラクル勝利の立役者になった。「うれしいです。もっと貢献できるように頑張ります」と大城。田中俊と東海大で同期の中川にプロ初勝利もつく価値ある白星。フレッシュな力が輝いた。(片岡 優帆)

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