【巨人】阿部弾、ローズに並んだ最多タイの228人斬り

スポーツ報知
2回1死、先制の右越え本塁打を放つ阿部(カメラ・中島 傑)

◆DeNA1―4巨人(21日・横浜)

 巨人は阿部の歴史的一発が決勝点になり、3連勝を果たした。2回1死でDeNA・平良から右翼席へ8号ソロ。プロ18年目で本塁打をマークした投手はこれで228人になり、元オリックスのT・ローズに並ぶプロ野球最多となった。巨人史上3人目の通算400号にもあと4。6回には中前適時打でこの日2打点を挙げ、7回1失点で5勝目を挙げた内海とともにベテランが奮闘。チームの借金も1になった。

 あまりの打球の高さに、阿部はバットを振り抜いた体勢のまま、何度もまばたきした。「ちょっと上がりすぎたかな。途中から打球の行方が分からなくなったんですが、結果的にホームランになって良かった」。0―0の2回1死から、元同僚・平良の低め変化球をすくい上げた。

 フェンス手前の右飛と思われた打球だったが、高く舞い上がったまま上空の強風に押された。長い滞空時間を経て、ボールが右翼席最前列へ飛び込む。3連勝を決める先制V弾となり、これで本塁打を奪った投手は228人目。T・ローズの最多奪本塁打投手記録に並んだ。14日のヤクルト戦(神宮)では、左翼線付近へ打ち上げたファウルフライのような打球が風に戻されてラッキーな走者一掃3点打となっていたが、またも風を味方につけた。

 阿部が右肩痛に見舞われてリハビリに専念していた16年シーズン序盤は、当時は巨人にいた平良も右肘を痛めてファームで苦しんでいた。「ゆっくり、のんびり治してる間にクビになっちゃうよ」。阿部は、自身が長年通い続けている治療院を平良に紹介するなどバックアップしていた。FAの人的補償という形ながら、新天地で才能を開花させつつある後輩との対戦。3点リードの6回無死二塁では外角変化球をとらえる中前適時打と、その挑戦を貫禄たっぷりに押し返した。

 歴代トップの229人斬りとともに、巨人では王、長嶋に続く史上3人目の400本塁打も目前だ。昨季は2000安打を達成。オフには、阿部が「世界最高の捕手」と認めるモリーナ(カージナルス)から、祝福のメッセージが添えられたサイン入りエンブレムが届いた。「こんだけ長く現役でやってれば、こういういいこともあるもんだな」と喜んでいたが、新たな偉業達成の時も近そうだ。(尾形 圭亮)

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