【巨人】岡本、3三振 今季9度目零敗 4番の責任痛感「僕が前に飛ばせたら良かったのに」

◆DeNA2―0巨人(22日・横浜)
巨人が今季9度目の完封負けを喫し、連勝は3でストップした。先発の吉川光が4回、筒香に先制2ランを被弾。打線は相手先発・井納を攻めきれず、8回には2死満塁の好機をつかんだものの、マギーが3番手の三嶋に対して右飛に終わった。4番・岡本が4打数無安打、3三振に倒れたことも痛かった。結局は散発4安打で完封リレーを許し、約1か月ぶりの勝率5割復帰に失敗。借金は2に膨らんだ。
あと一伸び、届かなかった。2点を追う8回2死満塁。マギーが放った鋭い打球は、右翼フェンス手前で右翼手・関根のグラブに収まった。最後の好機を生かせず、リーグ最多となる今季9度目の0封負け。由伸監督は「(相手の調子が)良かったかどうかは知らないけど、でも点を取らないと勝てないからね」と、やはり決定打を欠いた打線を指摘した。
あと1本が出なかった。好機を作り、岡本につないだ。だが、その頼みの綱が初回2死三塁、4回1死二塁、7回無死一塁と走者を置いた場面でいずれも井納の前に三振に倒れた。これまで通算8打数5安打と打ち込んでいた相手だったがその分、相手の警戒も最大級。フォーク、スライダーをコースにきっちり決められては、簡単にはいかない。
これまで何度、岡本のバットが窮地を救ってくれたかを思えば、責める気にはなれない。単純にこの日は“岡本の日”ではなかったというだけの話。だが、89代は責任を全て負った。「僕が何とか前に飛ばせたら良かったのに。力んでしまいました」。4番とは勝負を分ける一打を放つもの。そういう自覚が芽生えている証しだった。
流れが来なかったことを象徴する“不思議なこと”もあった。2点を追う8回1死一塁から代打・長野が打席へ。パットンの4球目、内角直球はグリップを握る左手に当たったように見えた。だが、ファウルの判定に、指揮官はすかさずリクエスト。球場内にリプレーが大映しされても左翼席のG党が沸くばかり。結果を待つ間、長野も打撃用手袋やエルボーガードを外して備えていた。確信があったからだったが、再び下された判定はファウルから変わらなかった。
打ち直した結果、二失で塁に残る形にはなったものの、制球を乱しての出塁と、打ち取った形での出塁では投手心理は大きく違う。これも詰め切れなかった遠因とは言えないか。試合後、患部をやや紫色にした背番号7も「33歳にもなってウソなんかつきませんけど、審判の方がそう判断したのでしょうがないです」とだけ言葉を残した。
連勝は3で止まり、借金完済はならず。消化不良な部分も残るが、切り替えて戦っていくしかない。もうシーズン残りは29試合。後ろや先ではなく、目の前だけを見て一戦必勝を貫くだけだ。(西村 茂展)