【巨人】田口、57日ぶり先発も5回3失点「大事な立ち上がりにもったいないことを…」

スポーツ報知
2回無死、バティスタ(手前右)にソロ本塁打を浴び、顔をしかめる田口(カメラ・橋口 真)

◆巨人2―6広島(30日・東京ドーム)

 巨人は、57日ぶりに1軍戦に先発した田口が5回3失点も序盤の失点に苦しみ7敗目を喫した。打線は坂本勇を昨年6月9日の日本ハム戦以来となる2番で起用したが、チャンスをものにできず10安打で2得点。本拠地の東京Dで首位・広島に痛恨の3タテを食らい、4連敗で借金は5に膨らんだ。今季の広島戦は5勝16敗1分けとカープアレルギーから脱出できず、2位・ヤクルトとも3・5ゲーム差に広がった。

 歓喜に沸く敵陣をよそ目に、田口はベンチを去った。57日ぶりに1軍に戻ってきた左腕。5回4安打3失点で7敗目を喫した。試合後は「大事な立ち上がりにもったいないことをしてしまった。先発として1、2回が大事だと分からされた」と自らを責めた。

 いきなり流れを持っていかれた。初回に先頭の野間に死球を与えると、菊池には三塁線を破られる二塁打で先制点を献上。左翼席の真っ赤な声援が大きくなる。2回には先頭のバティスタに21号ソロを被弾し、岡田の犠飛で3失点目。3回からは立ち直ったが、時は遅かった―。

 覚悟と決意を持って上がった舞台。2年連続2ケタ勝利を挙げ、今季は左腕エースとして期待された。だが、結果が出ない苦しい日々。「プロに入ってしんどいことはいっぱいあった。けどこんなに苦しい日々は初めて」と本音も漏れた。7月4日のDeNA戦(東京D)で6敗目を喫し、2軍行きを通達された。

 気温30度超の誰もいない早朝のジャイアンツ球場で、左腕は一人外野を走り汗を流し、自分と向き合った。「自分自身の技術がないところから見つめ直して、何をするか一つ一つ考えて潰していこう」

 田口の代名詞は、かかと(ヒール)を一度上げる「ヒールアップ投法」。フォームを変えるのではなく、足の位置を高くするなど変化を加えた。走り込みも倍ほどに増やし、足腰から鍛え直した。しかし自信をつけ、新たな気持ちで挑んだぶん、「正直しゃかりきに投げていた。目いっぱい出そうとしたがうまくいかなかった」と気持ちは空回りした。

 チームは5回に1点差に詰め寄るも、9回に5番手の池田が3失点。勝負は決まった。救援陣のマシソン、カミネロは故障で離脱している。9月の終盤の追い込みに向け、勝ちきるために先発陣にはさらなる期待がかかる。来週は4試合のため田口は一度登録抹消となることが濃厚。「反省するべきところは目に見えた。しっかり克服できるようにやりたい」。背番号「90」の力は必要不可欠だ。(玉寄 穂波)

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