【巨人】ゲレーロ、ナゴヤドーム1号…喜び控えめにダイヤモンド一周

スポーツ報知
3回1死一塁、13号2ランを放ったゲレーロがベンチを指さす(カメラ・石田 順平)

◆中日5―5巨人=延長12回規定により引き分け=(1日・ナゴヤドーム)

 昨季までの庭で、ようやく“恩返し”を果たした。ゲレーロは敬意を示すように、喜びも控えめにダイヤモンドを一周した。快音を残した白球は弧を描いて、左中間席最前列へと吸い込まれた。「自分のスイングで打つことができた」と自画自賛した一発は、昨年所属した古巣相手の初アーチ。昨季17発を量産したナゴヤDでの今季1号にもなった。

 キングの風格が戻りつつある。3回、岡本の27号ソロで点差を広げ、さらに亀井が中前安打で出塁して巡ってきた打席。1ボールからの2球目、甘く入ってきた藤嶋の134キロ直球を完璧に捉えた。「(前の打者からの)いい流れで打席に入ることができて、追加点を挙げることができて良かったよ」。13号2ランで、今季4度目のGO砲アベックアーチを完成させた。

 6月15日に出場選手登録抹消となって以来、2か月以上のファーム暮らしが続いた。なかなか調子が上がらない自分にいらだちは募った。チーム関係者に「なかなか寝つけないんだ」とこぼす日々。無理やりにでも眠るため、キャンプ中から乾杯のためなど最低限しか口をつけなかった酒量も少しだけ増えた。それでも炎天下のG球場で、自身の打撃練習を終えても、全員が終了するまで勤勉に打球を追い続けた。成果は向上した体のキレとなって表れている。

 8月26日の1軍再昇格後は6戦で3発を含む19打数7安打、打率3割6分8厘と好調をキープしている。「競った展開のいい試合にはなったけどね」と一発が勝利に結びつかず、会心の笑顔とはいかなかったが、勝負の秋に向けて完全復活を遂げたと言っていい。キングのプライドにかけて、空白にしてしまった時間は必ず埋める。(西村 茂展)

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