【巨人】岡本、松坂撃ち28号!猛打4打点

◆中日9―13巨人(2日・ナゴヤドーム)
巨人の岡本が、初回に2試合連続となる先制28号3ランで中日・松坂を打ち崩した。この日、4番は3安打4打点。残り19試合で3割、30本塁打、100打点の大台も見えてきた。2番の重信は2回にプロ初アーチ。チームは1番から5番まで全員が猛打賞をマークし、17安打13点の大勝。2位ヤクルトまで1ゲーム差に迫った。投手陣は終盤追い上げを許したが、先発の今村が5勝目を挙げた。
ボールをたたきつぶすような破壊音が、ナゴヤDに鳴り響いた。岡本のバットが捉えた打球は、バックスクリーン右まで飛んでいった。敵地が静まり返る中ダイヤモンドを一周すると、主将・坂本勇が頭を深々と下げて出迎えた。「手応えはよかったです。引っ張りにいったらショートゴロになってしまうので、センター方向を意識しました」。2戦連発となる28号3ランが、松坂攻略への号砲となった。
初回1死一、三塁で打席を迎えたが、一塁走者・重信が初球で二盗を決めたことで心のゆとりができた。「内野ゴロ、外野フライでも1点という状況になったので、気楽にいけました」。1ボールから高めのカットボールを振り抜き、最高の結果につなげる。これで28本中8本が3ランだ。
平成の怪物とは16年オフ、プエルトリコでのウィンターリーグで同じチームでプレーした。06、09年のWBCで2大会連続MVPに輝き、メジャーでも07年にレッドソックスでワールドシリーズ制覇に貢献した右腕は、現地でも知名度、人気ともに群を抜いていたという。「松坂さんへの声援はすごかったです」と振り返るほど、偉大な存在に映った。
それだけに、対戦となれば自然と力が入る。初回の一発に続き、2回2死二塁では左翼線へ適時二塁打。試合前までの松坂は、得点圏での被打率1割2分5厘(56打数7安打)、被本塁打0。ピンチで粘り強かったベテランを、2回までに若き大砲の4打点を含む7点の猛攻でKOした。
6回先頭では中前安打で3安打4打点。三塁打が出ればサイクル安打という大暴れで、打率3割1分5厘、89打点、28本塁打。この3連戦は2発を含む8安打9打点。強打者の指標とも言える3割、30本塁打、100打点も視界に捉えた。22歳でシーズン100打点なら史上最年少となる。由伸監督も「本人の実力じゃないかな。それ以外答えようがないよ。本人がよく頑張っているというところだね」と賛辞を惜しまなかった。
岡本の一発に導かれるように、打線は1~5番まで全員が猛打賞。10点リードの8回に6失点も、最終回にマギーの適時打で突き放すなど、17安打13得点で打ち勝った。指揮官も「最後まで本当によく粘り強く攻撃してくれた。きっちり1点ずつ進めて取った点もあったし。バントもしっかり決まっていい攻撃ができたと思う」とうなずいた。シーズン通して勝負強さを見せる4番は「何とか走者をかえそうというだけです」と残り19試合も打撃で貢献することを誓う。打線の真ん中にどっしりと構える背番号25が、チームに安心感をもたらしている。(後藤 亮太)