【巨人】天敵打てず…ライアンに7連敗 2位ヤクルトと2差借金4に膨らむ

スポーツ報知
8回2死一、二塁、代打・阿部が空振りの三振に倒れる

◆巨人1―4ヤクルト(11日・東京ドーム)

 3位の巨人は、2位ヤクルトに痛恨の逆転負けを喫し、ゲーム差は2に広がった。4回、ドラフト5位ルーキー・田中俊のプロ1号で先行したが、その後は小川から追加点を奪えず。メルセデスが6回、バレンティンに同点二塁打を浴び、8回に2番手アダメスがバッテリーミスから勝ち越された。小川には16年途中から7連敗。勝負の7連戦は黒星スタートとなった。

 最後の勝負手も実らなかった。3点を追う8回2死一、二塁。一発で同点の場面で打席には切り札の阿部。フルカウントからの7球目、捕手のミットとは逆に中に入ってきた小川の145キロ直球にバットは空を切った。「外に張っていたけど、最後は逆球。しょうがないです」。相手の配球を読み切っていただけに、背番号10の悔しさはいっそう募った。

 また天敵にやられた。足を高く上げ、長くタメを作ってタイミングを外そうとする小川に対し、各打者はコースを絞って攻略にいった。走者は出した。だが、仕留めきれなかった。由伸監督が「あそこでまずリードして試合を進めないといけない」と指摘したのは序盤の逸機の連続。初回1死一、三塁で岡本、亀井が凡退。3回2死一、二塁で亀井が一邪飛など、得点は田中俊のプロ初本塁打による1点のみ。相手を乗せてしまう遠因となった。

 これで小川には今季4戦3敗。16年4月30日から7連敗となった。「ずっとやられっぱなしなんでね。何とかというのは別に次じゃなくて、今日もそのつもりでいったんだけど、結果が出なかった」と指揮官の言葉にも悔しさがにじむ。

 投手陣に目を移せば、同点の8回無死一、二塁、山田哲から右打者が7人並ぶ場面で救援したアダメスが3安打を浴びて炎上した。沢村が登録抹消となり、右のセットアッパーは育成出身のドミニカンが1番手。最善策を取ったが実らなかった。もちろんバレンティンの打席で、捕手・大城がワンバウンドするスライダーを体で止めにいかず、捕逸で決勝点を与えた場面などは反省も必要だが、若いバッテリーにある程度のミスが起こるのも仕方ない。だから指揮官も「それ(8回の失点)もそうだけど、何とか早く次の1点を。お互いだったんだけど、何とか取らなくちゃいけなかった」と打撃陣が攻略しきれなかったことを答えとした。

 勝てば2位浮上の試合を落とし、借金は4。ゲーム差は2に広がった。この先、CSに進出した場合でもヤクルトと激突する際には必ず小川と対戦することになるだろう。天敵攻略をなさなければ、道は開けてこない。(西村 茂展)

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