【巨人】2位・ヤクルトに3差…CSへ残り14戦 坂本勇「全員で取り返す」

◆巨人2―4ヤクルト(13日・東京ドーム)
巨人打線は5安打2得点と湿りっぱなし。2位・ヤクルトとの勝負の3連戦に2敗1分けと負け越し、ゲーム差は3に開いた。4回に岡本の31号ソロで先手を奪うが、粘投していた先発・田口が7回に2失点。9回には中川が青木に2ランを浴びた。9回にマギーの犠飛で2点差とするのがやっと。この3連戦で得点は田中俊、マギー、岡本のソロ3本と犠飛の4点だけ。タイムリー欠乏症は深刻だ。残り14試合。打線の立て直しは急務だ。
勢いを作っても乗り切れない。これが、このヤクルト3連戦で続いた。4回に岡本の31号ソロで主導権を握ったが、由伸監督が課題とする“次の1点”が取れなかった。終盤に逆転されるのは最近のパターン。試合後の指揮官。「それが一番だよね。昨日今日とそれ以降が取れないんでね」と歯がゆさをにじませた。
11日の同カード初戦は田中俊のソロ1本のみ。12日のマギーに続き、この日は岡本の一撃。3戦連続ソロでの1点ずつで終わったら、同一カード3連戦では球団史上初となる珍記録だった。それだけ今の打線はつながりに欠け、5試合計48イニングで本塁打以外の得点は、この日の9回、マギーの犠飛のみ。ゲレーロを1番に置いた新打線は迫力こそあるが、その助っ人が無安打では機能などしない。本拠地・東京Dでは1分けを挟み6連敗となった。
僅差のゲームに弱い。これが、今の巨人だ。この日、午後2時前。グラウンド上には野手陣が集まった。通常の練習開始時間よりも30分以上早く、ほぼ全員がバント練習を始めた。引き分けに終わった12日の試合では、延長11、12回と送りバントを失敗。「当たり前のことを当たり前にやる」ことを再度徹底し、阿部や亀井は特打も行った。各自が打開策を探したが、結果には結びつかなかった。
村田ヘッドコーチは「バッターの尻をたたきながらやっていく。引きずってもしょうがない」と前を向いた。そう、残りは14試合。下を向いている暇はない。当面の目標であるクライマックスシリーズ進出へ、負けられない戦いは続く。そんな中、背筋痛で2軍調整中の長野に、復帰へのメドが立ったことは明るい材料だ。周囲がストップをかけるくらいに状態を上げてきており、早ければ18日のイースタン・DeNA戦(平塚)での実戦復帰が有力となった。翌19日の状態次第では、そのまま1軍に合流する可能性もあり、カンフル剤としての期待がかかる。
2位・ヤクルトとは3ゲーム差も、4位・阪神が敗れたことが唯一の救い。まだチャンスはある。坂本勇はチームを代弁し、強調した。「(7連戦は)残り4試合あるので、全員でこの2敗を取り返せるようにしたい」。14日からは場所も変わってハマスタでのDeNA戦。潮目が変わると信じたい。(水井 基博)