【巨人】菅野粘投も打線沈黙…V消滅に由伸監督「全てが終わるわけではない」

◆DeNA3―1巨人(15日・横浜)
巨人が引き分けを挟んで4連敗し、球団ワーストタイとなる4年連続のV逸が決まった。初回に二塁・山本のエラーで先行を許し、3回にはエース菅野が押し出し四球。3安打1得点の打線は、かつて巨人に在籍したDeNA・平良を攻略できなかった。自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性もなくなり、セ・リーグは3~6位が1・5ゲーム差内にひしめく大混戦となった。
最終回の攻撃は3人で終わった。由伸監督は足早にベンチ裏へ引き揚げた。引き分けを挟んで4連敗、借金は最多の7。球団史上3度目の4シーズン連続V逸が決まり、同時に自力でのCS進出も消滅した。「それは現実だからね。ただ、今日で全てが終わるわけではないから」。屈辱を受け止め、努めて前を向いた。
初回に二塁手・山本の失策で先制を許した。右翼線際へ力なく上がったフライを落球。村田ヘッドは「高校生、いや小学生でも捕れる」と嘆いた。菅野は3回2死一塁から筒香、ロペス、桑原に四球で押し出しとなり2点目を失った。プロ2度目の3連続与四球、4度目の押し出し四球となったが、中軸には細心の注意を払って攻めていた。
菅野「2点目は慎重になりすぎたというか。もっと大胆に攻められれば良かった。この球場は一発に気をつけないといけない。押し出し四球は論外ですが、筒香はある程度、許容範囲内というか、切り替えられる四球だったと思います」
その後は粘り、7回4安打2失点(自責1)。防御率2・48はリーグトップに浮上した。由伸監督は「結果以上に内容が良くない」と厳しかったが、エースで落とせない、という試合で打線の沈黙が痛恨だった。
DeNA先発は平良。初回先頭・坂本勇の右前安打以降、18人連続で凡退した。得点は7回、重信のラッキーな三塁打とマギーの適時打による1点だけだった。7連戦初戦の11日ヤクルト戦(東京D)から今季チーム初の5戦連続2得点以下、48イニング連続で1得点以下。由伸監督は「ここ数試合、調子が良くない。何とかしないと」と話した。
攻撃陣のこの状況で、3連勝中だった菅野だけを責めることはできない。残り12試合。反省は必要でも、誰が悪い、誰のせいで負けた、と後ろを振り返っても道は開けない。エースは失策した山本をベンチで優しくたたいて励まし、好守備のマギーに拍手で感謝した。全員一丸で戦い続ければ、状況は好転するはずだ。
菅野「去年が終わった段階から優勝を目指して自主トレ、キャンプと厳しい練習をしてきて、それがなくなってしまうのはみんな悔しいと思う。僕自身も中心選手として悔しいです」
3~6位が1・5差の大混戦。CS出場の可能性は残っている。村田ヘッドは「切り替えて1個でも上にいくだけ」と強調した。一戦必勝で前に進んでいくしかない。(片岡 優帆)