【巨人】阿部、一振りで決めた!球団単独2位の10本目の満塁弾 自力CS進出復活

スポーツ報知
7回2死、阿部が右越えに満塁本塁打を放つ(投手・岩瀬、捕手・松井雅=カメラ・生澤 英里香)

◆巨人11―3中日(16日・東京ドーム)

 巨人打線が8試合ぶりの2ケタ得点となる13安打11得点で中日に大勝。引き分けを挟んでの連敗を4で止めた。1点を追う初回、重信が2号同点ソロ、5回にはマギーの2点打で勝ち越した。6回には1点差に迫られ、なおも無死一、二塁のピンチで登板したアダメスがピシャリ。7回は上原が無失点でつなぎ流れを呼び込んだ。その裏、満塁のチャンスで岡本が押し出し四球、続く阿部が9号満塁弾をたたき込み、試合を決めた。重信は4安打3打点の大暴れ。チームは自力でのCS進出の可能性が復活した。

 バットを振り抜いた体勢のまま、阿部は一瞬だけ快感に浸った。「少しバットの先でしたが、しっかりと押し込むことができました。よかったです!」。2点リードの7回2死満塁。岩瀬の外角スライダーを、右翼席上段へ放り込んだ。通算397号となる一発は、10年9月11日の広島戦(東京D)以来、8年ぶりの満塁弾。王貞治の15本に次いで、球団単独2位となる10本目のグランドスラムだ。

 阿部はヘルメットの内側に自らを奮い立たせる言葉を記しているが、そこに「ひとり勝ち」と付け加えた。「もちろん1試合1試合、みんなで勝たなきゃいけないんだけど、『大事な場面では俺がやるぞ』『おいしいところは俺がもらうよ』っていう意味でね」。7回は2死から坂本勇、重信の連打にマギーが四球で続き、岡本が押し出し四球で95打点とし2点差。各打者がつないでたぐり寄せた流れに乗り、一進一退の試合をひと振りで決着させた。

 陰のファインプレーもあった。満塁弾直前、1点リードの7回2死。上原が大島に二塁打を許すと、すかさずマウンドに歩み寄って「間」を取った。「試合の中で、『相手に流れがいきそうだな』とか、『危ない雰囲気だな』っていう時は必ずある。そういう時にひと呼吸あるだけで投手は冷静になれる」。代打としてベンチ待機することが増えた今季は、内野を守る岡本ら若手にも助言してきたこと。直後のビシエドが死球だったことに触れ「『当てろ』と言ったわけじゃないよ」とけむに巻いたが、背番号10の危険予知能力が発揮された場面だった。

 この日の全体練習前には、試合日では異例のシート打撃を行った。チームは最近5試合で7得点と苦しんでいたが、13安打で11点を奪い、8試合ぶりの2ケタ得点。連敗を「4」で止め、自力CS進出の可能性も一夜にして復活した。高橋監督は「今日はいい形で安打が出たり、つながったり、本塁打が出たりと、いい形のものがたくさん出たんでね。またこれで少し調子が戻ってくれればいいなと思う」と、手応えと期待を口にした。残り11試合。ここでよみがえらないわけにはいかない。(尾形 圭亮)

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