【巨人】アダメス&上原、つないだ“新方程式”

スポーツ報知
7回のピンチを切り抜け、坂本勇(左)らをハイタッチで迎える上原

◆巨人―中日(16日・東京ドーム)

 成果の一球が光った。1点差に迫られた6回無死一、二塁で登板したアダメス。福田を外に大きく曲がるスライダーで空振り三振に斬ると、後続も打ち取り無失点に抑えた。「マウンドから降りる時は0でと。勝利につながってよかった」。ベンチでは穏やかな笑顔を見せた。

 階段を一歩ずつ上る。6月に支配下登録され1軍で戦ってきたが、技術不足のところはたくさんあった。最速157キロの速球が武器。豊田投手コーチと制球力を上げる練習を始め、次はスライダーで空振りが取れるようにと、レベルを上げていた。

 阿部のアドバイスでさらに飛躍した。以前からプレートの真ん中から一塁側に投げることを勧められていた。内角攻めに角度が付くことで、右打者の外角のスライダーがより生きた。8日の阪神戦(甲子園)でぶっつけ本番で挑みあっさり3者凡退。翌日に「早速挑戦したのか!」と、阿部を驚かせる度胸を見せた。

 上原も勢いを加速させた。7回に「アダメスが素晴らしい投球をしてくれたので」と流れをつないだ。2死で大島に二塁打を浴びた。すると一塁の阿部がマウンドに駆け寄り、好調のビシエドを敬遠するかどうか相談を持ちかけた。上原は勝負を選択。内角高めの直球で死球としたが「攻めた結果なので」。続くアルモンテは遊飛に抑えこちらも無失点。全員で流れを作った結果、阿部の満塁弾が飛び出した。

 マシソン、カミネロがけがで帰国。開幕当初に計算していた「勝利の方程式」が崩壊した。だが、畠がリリーフとして復活。抑えの山口俊とこの日“新方程式”がつないだ。由伸監督は「みんなでカバーして試合を進めてくれた。中盤をしのいでくれたのは良かった」と称賛した。(玉寄 穂波)

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