【巨人】坂本、左太ももに異変か 負傷交代も「大丈夫」…中日に敗れ再び自力CSが消滅

スポーツ報知
6回終了後、守備位置に向かわず、ベンチ裏に引き揚げて交代となった坂本勇(カメラ・酒井 悠一)

◆巨人2―4中日(17日・東京ドーム)

 巨人は打線が低調で、中日・ガルシアから今季3敗目。自力でのCS進出の可能性が再び消滅した。シーズンの行方を占う7連戦は1勝5敗1分けに終わり、そのうち6試合が2得点以下とここに来て元気がない。そんな中、6回には坂本勇が左太ももに違和感を覚えた模様で、7回の守備から途中交代した。泣いても笑ってもレギュラーシーズンは残り10試合。勇人抜きのラストスパートは考えられない。今こそ一丸となって、目前の敵をなぎ倒せ。

 文字通り、痛恨の1点となった。両軍無得点で迎えた6回1死二塁。ビシエドの詰まった打球が三塁後方へとフラッと上がる。坂本勇が背走しながら懸命に追うも、左翼線際へポトリと落ちた。与えたくない先制点を献上する適時打となったが、それ以上に痛手となったのは、直後から背番号6が左太もも裏を気にし始めたことだった。

 さすったり、その場で屈伸して伸ばしたり。先制打を浴びた後の2死一、二塁からは、メルセデスが福田に3ランを被弾。4点のビハインドとなった状況を受け、勇人は出場を続行した。その裏、内野安打で懸命に一塁を駆け抜けるなど不屈の闘志を見せたが、全力疾走は出来ていなかったのも確か。7回の守備から試合を退いた。

 勇人は、左太もも裏と慎重に付き合ってきた側面もある。5月30日の日本ハム戦(東京D)でも同箇所を気にするそぶりを見せて途中交代したが、翌31日には、スタメンに名を連ねた例もあった。今回、“患部”を気にし始めた後も、プレーを続けたところを考慮すれば重症ではないはず。周囲がブレーキをかけ、大事を取っての交代とみられる。

 前日11得点した打線は終盤、2点差に追い上げたが及ばず。苦手ガルシアの手元で動く球を捉えきれず、序盤は好機らしい好機も作れなかった。今季3敗目を喫し、“打線は水物”を思い知らされた。由伸監督も「なかなか思うような打撃をさせてもらえなかった」と完敗を認めるしかなかった。

 チームは現在、岡本が14日のDeNA戦(横浜)で右手親指に死球を受けて以降、強行出場を続けているものの、2四球の他は10打数無安打と結果が残せていない。「大丈夫です」と気丈に振る舞い続ける若き主砲だが、それまでの圧倒的な打棒を思えば、負傷の影響がないはずがない。そんな状況で主将まで本調子を欠くことになれば、いよいよ“危険水域”だ。

 勝負所の7連戦は1勝5敗1分け。借金は今季最多タイの7となった。この結果、自力でのCS進出の可能性は再び消滅。背後に4位・中日、5位・DeNA、6位・阪神が同じ1・5差で追ってくる。休養日を挟み、19日のDeNA戦(東京D)から再出発を図る。試合後、勇人はしっかりとした足取りで球場を後にした。状態に関しては「休み明けは大丈夫だと思います」と言い切った。主将の言葉を、今はただ信じたい。(西村 茂展)

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