【巨人】脇谷が引退「もうおなかいっぱい野球した」将来指導者に

スポーツ報知
引退会見を行い、すがすがしい表情を見せる脇谷(カメラ・中島 傑)

 巨人の脇谷亮太内野手(36)が19日、東京D内で会見を行い、今季限りでの現役引退を表明した。

 フラッシュを浴びる脇谷の目に、涙はなかった。「監督を胴上げできなかったとか悔いはやっぱりあるんですけど、僕なりの野球人生は全うできたかな、と。もうおなかいっぱい野球したなって思いがあります」。シュアな打撃と俊足、複数ポジションを守れる万能性で、いぶし銀という言葉がぴったりの男。だが今季は開幕からファーム暮らしが続いた8月、漠然と幕引きを考え始めた。

 13年間のプロ野球人生は、さまざまな故障との闘いでもあった。11年オフには右肘靱帯再建術を受けたが、「またドームで歓声を聞きたい、自分の名前をアナウンスしてほしい」とファンの存在を励みに1年以上のリハビリを乗り越えて復活した。「ケガばかりだったけど、周りの方に支えられて、本当にいい野球人生だった」と周囲に感謝した。

 試合前練習が終了直後に設定された会見には坂本勇、長野、亀井が駆けつけた。長野は質疑応答時に報道陣に紛れて「今は何が食べたいですか」と質問。女子テニス・大坂なおみが全米オープンで優勝した際に「トンカツ、カツ丼、カツカレー」と答えた質問を引っかけたものだったが「野球生活していると不摂生ができないので、ジャンクフードが腹いっぱい食べたい」と気付かずまじめに答えたのも、脇谷の人柄だ。

 最後の雄姿は10月6日に宮崎で行われるファーム選手権と決めている。故郷・大分から最愛の両親も招待する。「最後のユニホーム姿を見せられたらなと思ってるんで、そこまでは気合入れて後輩たちと汗かきながらやりたい」。将来的に指導者になりたい希望も明かした。笑顔に満ちた引き際が、幸せなプロ人生だったことを物語った。

 ◆脇谷 亮太(わきや・りょうた)1981年11月4日、大分市生まれ。36歳。柳ケ浦高から日本文理大、NTT西日本を経て2005年大学生・社会人ドラフト5巡目で巨人入団。11年オフに右肘じん帯再建手術を受け、12年は育成選手として契約。13年支配下選手に復帰。14年には片岡のFA人的補償で西武移籍。177センチ、77キロ。右投左打。

 巨人・高橋由伸監督「大きな手術だったり、移籍があったり、まさかのFAを取って宣言したり。いろんなことがたくさんあったけど、偶然にもそういったものに関わったというか、身近にいたような感じになった。大変よく頑張ったかなと思う。脚力があったり、パンチ力があったり、西武では外野をやったり、いろいろなことをできた選手だった」

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