原辰徳さん、菅野&坂本勇の活躍に「チームに勇気と希望を与える」…特別観戦記

スポーツ報知
高橋監督と談笑する原辰徳氏(右)

◆巨人5―0ヤクルト(22日・東京ドーム)

 巨人軍前監督の原辰徳氏(60)が、スポーツ報知に特別観戦記を寄せた。エース・菅野とキャプテン・坂本勇の活躍でつかんだ1勝を評価。CS出場をかけて挑む残り8試合、もがき苦しみながらも死力を尽くすことに期待した。(構成・高田 健介)

 絶対に負けられない戦いで、智之はエースらしく踏ん張り、勇人が主将としてだめ押しの一発を放った。チームの投打の軸が奮闘してつかんだこの1勝は、チームに勇気と希望を与えるものだろう。

 巨人は残りが8試合になった。私が監督として開幕を迎える際「どのチームも必ず苦しむ時が来る。我々は早く苦しんでシーズン終盤を落ち着いて戦い、12球団で一番長く野球をやって喜ぼう」とナインに伝えてきた。選手の調子が整わないこともあるだろうし、首脳陣も打順や先発ローテーションなどいろいろ試す部分もあり、うまく回らずに苦しむ時期が来る。

 ただ、それは必要な苦しみで、すんなり進むシーズンはない。そのうち打順も固定してくるし、ローテも固まる。選手個々の調子も落ち着き、夏場を過ぎて落ち着いた戦いができるチームが優勝争いを演じることができる。

 現在2位のヤクルトも決して安泰だとは思っていないだろうし、首位・広島以外の5チームが現在も苦しんでいる。3位以下はCSに出られる可能性もあれば、最下位もある。その心境を察するや、想像もしたくない厳しさがある。今年の巨人はけが人も出たし、調子が落ち着かない選手も多くいる。この日も二塁にマギーを起用するなど最終盤になっても打順は固定できていない。だがもう、仕方ないし、それを嘆いている時間はない。日本一になる可能性が残っている今、もがいてつかまなくてはいけない。

 剣が峰、土俵際と表現はいろいろあるが、負けたら終わりの高校野球と状況は同じだ。目の前の1球、1打席、そして1勝にとことんこだわるしか突破口はない。月並みだが形にこだわらず死力を尽くし、どのチームよりも長く、野球をやってほしい。(巨人軍前監督)

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