【巨人】畠、プロ初の甲子園、完全アウェーにも動じず

スポーツ報知
7回2死一、三塁のピンチで福留(中)から見逃し三振を奪う畠(左)

◆阪神1―2巨人(23日・甲子園)

 巨人が総力戦で1点差試合をものにした。1点リードの7回に上原が同点とされたが、なお2死一、三塁のピンチで救援した畠が福留を見逃し三振に仕留め、猛虎の勢いを断った。8回、途中出場の立岡が勝ち越し打。イニングをまたいで1回1/3を3奪三振と完璧に封じた畠から、山口俊につないで逃げ切った。畠は今季初勝利。山口俊は、5年ぶりのセーブ。甲子園での阪神戦は5連勝で、4位・DeNAとは1ゲーム差に広げた。巨人は自力でのクライマックスシリーズ(CS)出場の可能性が復活した。

  *  *  *

 プロ2年目で初めて立つ甲子園のマウンドは、虎党の大声援が響き渡り、完全アウェーだった。だが畠は「大学(近大)の時にも投げていたのでイメージできていました。歓声? すごいですけど、実際マウンドに行ったら分からないですね」とあっけらかんと話し、強心臓ぶりを見せつけた。

 広島・近大福山高時代は無名に等しく、甲子園出場はなし。高3夏の広島県大会では目前で1学年下の広島新庄・田口麗斗が快投し、チームは負けた。近大時代も全国区ではなかった。

 決して派手な経歴ではないが「今持っている自分の力を生かして、妥協しないことを大切に」と地道に練習を重ね、ここまで来た。同世代はエンゼルス・大谷、広島・鈴木ら一流がそろう。「僕なんか、街を歩いていても分からないですよ」と笑う畠。観衆4万6730人。超満員の聖地で熱投する姿は、実に頼もしかった。(巨人担当・玉寄 穂波)

巨人

×