【巨人】山口俊、5年ぶりセーブ「絶対勝つ」勇気を持って投げたカーブ

スポーツ報知
試合に勝利して、セーブを挙げた山口俊(後列中央)は坂本勇と笑顔でハイタッチを交わす(左は小林=カメラ・橋口 真)

◆阪神1―2巨人(23日・甲子園)

 気合が乗り移った1球だった。山口俊は球審の手が上がった瞬間、大声を出した。9回1死二塁。ナバーロを内角150キロ直球で見逃し三振。力でねじ伏せた。「リリーフみんながつないでくれた。絶対に勝たないといけなかった」。移籍後初、自身5年ぶりとなるセーブの重みをかみしめた。

 2―1の9回に6番手で登板。先頭の中谷に中前打を打たれても冷静だった。

 「もちろん(1点差で)勝って終わることが一番ですが、勝ち越されないことが抑えの最低条件。そのリスクも考えながらでした」

 中谷の初球は110キロ台のカーブ。ナバーロにも2球投じた。長打警戒の状況で、球速の遅い球は勇気ある選択。この回からマスクをかぶった小林は「向こう(の狙い)は直球とフォークだったと思うので、カーブを使いました」。緩急で相手打者を幻惑し、勝負所で直球を生かす工夫がはまった

 今季は先発として8勝。カミネロ、マシソンが離脱し、9月から4年ぶりにリリーフへ配置転換された。最初のセーブ機会、12日のヤクルト戦(東京D)は3四死球1失点で失敗。それ以降の練習では、他の救援陣が短距離ダッシュの日も距離が長いポール間走を重ね、あえて下半身に負荷をかけた。キャッチボールで、力みのない下半身主導のフォームへの修正を試みた。

 ノーヒットノーラン達成試合の9回と、守護神としての9回の違いを聞かれ「抑えのほうがシビれますよ」と即答した。DeNA時代に通算111セーブを挙げた剛腕。重圧をはねのけ、2度目のセーブ機会で雪辱した。(片岡 優帆)

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