【巨人】立岡、5か月ぶり打点は決勝タイムリー

スポーツ報知
8回2死一、二塁、立岡が中前に勝ち越し打を放つ

◆阪神1―2巨人(23日・甲子園)

 総立ちのベンチに向かって、立岡は両手を突き上げた。「どんな形でも、前に飛ばせば何か起こる。三振だけはしないように、と思っていました。詰まったけれど、いい所に飛んでくれました。こういう場面で打てて、自分でも興奮しました」。1―1の8回2死一、二塁。フルカウントから藤川の内角148キロにバットを折られたが、打球は中前で弾んだ。4月25日の中日戦(前橋)以来、約5か月ぶりの打点が、接戦に終止符を打つ決勝点となった。

 08年ドラフト2位でソフトバンクに入団。高卒ながら潜在能力を買われての上位指名だったが、プロ入り当時を「(周囲の打者の)普通の内野フライでも、打球の高さにビビりました」と振り返る。レベルの違いに衝撃を受け、攻守ともにプレーまで萎縮していく中、当時の鳥越2軍監督が救ってくれた。「凡打しても、エラーしても、命を取られるわけじゃない」―。失敗を極度に恐れることなく、開き直ることで視界が広がったという。

 CS進出へ負けられない戦いが続く中、7回からゲレーロの代走で途中出場し、終盤の勝負所で大仕事をやってのけた。無得点に終わっていれば、相手に流れが傾きかねない重要な場面。やはり開き直り、リラックスした状態で打席に立っていたのだろうか?「めっちゃ緊張してましたよ。今も胸が痛いし、胃も痛いです」。立岡はそう言って体をさすり、満足げな笑みを浮かべて帰りのバスに乗り込んでいった。(尾形 圭亮)

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